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2021年、玉川学園の創設者である小原國芳が「全人教育」を提唱して100年が経った。彼の唱えた教育論と「全人教育」とは何だったのか、また現代の教育にどのように息づいているのか。本書では小原國芳の生涯、著書、玉川学園の歴史など多様な視点からその理論を読み解き、現代の教育実践まで解説する。巻末には國芳の言葉を集めた資料編を収録。

全人教育百年
第Ⅰ部　小原國芳における全人教育の理論と実践
第1章　小原國芳の「全人教育」提唱への軌跡
　はじめに　
　第1節　小原國芳における「全人教育」思想の胎動　
　第2節　小原國芳における「全人教育」思想の開花　
第2章　小原國芳の全人教育論――その提唱と展開
はじめに　
　第1節　全人教育論のテキスト　
　第2節　若き小原國芳の全人教育論（1921年）　
　第3節　晩年の新しい全人教育論（1969年）　
　第4節　「ホントの教育」を求めて　
第3章　全人教育の普遍妥当性
　はじめに
　第1節　リベラルアーツの歴史的展開
　第2節　今日におけるリベラルアーツ
　第3節　幅広い教育
　第4節　小原國芳の考える教科
　第5節　全人教育の普遍妥当性
　第6節　名を冠さない教育　
コラム　歌に始まり歌に終わる――玉川の音楽教育が語るもの

第Ⅱ部　世界的視野から見た全人教育の展望
第4章　クルト・ハーンと全人教育――経験の場としての学校
　はじめに　
第1節　クルト・ハーン：伝記的アプローチ　
第2節　世界の教育との関連におけるクルト・ハーン　
第3節　クルト・ハーンと彼の全人教育に関する教育学的プログラム　
第5章　国際バカロレアと全人教育――Learner Profileに着目して
　はじめに　
第1節　国際バカロレアとは　
　第2節　IBの学習者像とは　
　第3節　IBの4つの教育プログラム　
　第4節　IBにおける指導と学習　
　第5節　IBと玉川学園　
　第6節　そしてこれから　
第6章　ラウンドスクエアと全人教育――IDEALSに着目して
はじめに
　第1節　クルト・ハーンとラウンドスクエアの歩み　
　第2節　IDALSと全人教育　
　第3節　IDEALSを支える資質・能力　
第7章　全人教育としてのTAP――OBSとの関連で
はじめに
　第1節　玉川アドベンチャープログラム（TAP）の背景　
　第2節　TAPの目的の変遷　
　第3節　クルト・ハーンの冒険教育とTAP　
　第4節　TAPの使命　
コラム　玉川学園草創期の教育信条とその実践

第Ⅲ部　資料編
　１　教育十二信条との親和性　
　２　名句抄（小原國芳『全人教育論』より）