今から十一年前の2014年9月、娘の四歳の誕生日に思いつきました、「これから十年かけて『源氏物語』を現代語訳して十四歳の娘の誕生日にプレゼントしよう」と。それ以来、予備校の仕事の合間に少しずつ現代語訳を続け、2024年に『十四才の娘のための源氏物語』を出版して中学二年生となった娘にプレゼントしました。本書はその改訂版です。14歳の娘に読ませるためのものなので、わかりやすく読みやすくを心掛けました。なるべく主語等を補い、カギ括弧や三点リーダーを多用し、読み進めるのに煩雑な頭注をつけず、必要な説明は文章の流れを阻害しない程度に文章中に織り込みました。 しかし、訳者の職業柄、文法的には正確です。女房が姫君に話しかけるような文体にしたかったので、全体が「です・ます」調の優しい文体になっています。また、改訂版からは、中学生が興味を持って読めるように、各巻末に各巻の読みどころを解説した「パパコラム」を付けました。