出版社を探す

不安へのエクスポージャー療法 

原則と実践

著:ジョナサン・S・アブラモウィッツ
著:ブレット・J・ディーコン
著:スティーブン・P・H・ホワイトサイド

紙版

内容紹介

治療的なエクスポージャー(患者が恐怖と向き合うよう助ける技法)は、過剰な恐怖・不安を克服するための、実証的に支持され、エビデンスに基づく技法である。

本書は、臨床的な不安を伴うさまざまな問題にエクスポージャー療法を用いるための包括的で実践的な手引き書として、エクスポージャーの背景にある歴史や科学的知見、不安のさまざまな側面をアセスメントする方法、エクスポージャーへの準備と実施の仕方などを解説する。

目次

監修者まえがき

謝辞

第Ⅰ部 エクスポージャー療法の礎

第1章 概観と歴史
 不安:正常と異常
 現代のエクスポージャー療法:概説
 エクスポージャー療法の歴史
 結論

第2章 有効性
 有効性を判断する難しさ
 有効性を判断する方法
 エクスポージャー療法のエビデンス
 専門家のコンセンサスガイドライン
 結論

第3章 臨床的な不安:性質と治療
 臨床的な不安はなぜ生じるか
 不安の問題はなぜ持続するか
 臨床的な不安の認知行動モデル
 感情処理理論と制止学習理論
 結論

第4章 治療計画Ⅰ:機能アセスメント
 問題リスト
 機能アセスメントを導入する
 背景と病歴
 問題に関係した生活歴
 不安の体験についての情報を集める
 恐怖手がかり:不安のきっかけは?
 恐れている結果
 安全行動
 モニタリング
 結論

第5章 治療計画Ⅱ:準備性を高め、エクスポージャーリストを作る
 不安の概念モデルを紹介する
 エクスポージャー療法の原理を伝える
 エクスポージャーリストの作成
 状況エクスポージャー(現実エクスポージャー)
 想像エクスポージャー
 内部感覚エクスポージャー
 反応妨害:安全行動を終わらせる
 結論

第6章 エクスポージャーを実行する
 エクスポージャーセッションの構造
 エクスポージャー課題の準備
 エクスポージャー課題を実行する
 エクスポージャー課題を終えるタイミング
 宿題での練習
 反応妨害の宿題
 チャレンジングなエクスポージャーに取り組む
 さまざまな工夫
 患者が自分自身のセラピストになる
 よくある障壁
 結論

第Ⅱ部 特定の恐怖に対するエクスポージャー療法

第7章 動物・生物
 臨床像
 基礎
 機能アセスメント
 治療原理を理解してもらう
 練習計画を立てる
 実行する
 反応妨害する
 ヒントと落とし穴
 事例
 より深く学びたい方のための文献

第8章 環境(高所・閉所・広場)
 臨床像
 基礎
 機能アセスメント
 治療原理を理解してもらう
 練習計画を立てる
 実行する
 反応妨害する
 ヒントと落とし穴
 事例
 より深く学びたい方のための文献

第9章 人と関わる状況
 臨床像
 基礎
 機能アセスメント
 治療原理を理解してもらう
 練習計画を立てる
 実行する
 反応妨害する
 ヒントと落とし穴
 事例
 より深く学びたい方のための文献

第10章 望まない侵入思考
 臨床像
 基礎
 機能アセスメント
 治療原理を理解してもらう
 練習計画を立てる
 実行する
 反応妨害する
 ヒントと落とし穴
 事例
 より深く学びたい方のための文献

第11章 身体手がかりと健康面の懸念
 臨床像
 基礎
 機能アセスメント
 治療原理を理解してもらう
 練習計画を立てる
 実行する
 反応妨害する
 ヒントと落とし穴
 事例
 より深く学びたい方のための文献

第12章 汚染
 臨床像
 基礎
 機能アセスメント
 治療原理を理解してもらう
 練習計画を立てる
 実行する
 反応妨害する
 ヒントと落とし穴
 事例
 より深く学びたい方のための文献

第13章 トラウマ
 臨床像
 基礎
 機能アセスメント
 治療原理を理解してもらう
 練習計画を立てる
 実行する
 反応妨害する
 ヒントと落とし穴
 事例
 より深く学びたい方のための文献

第14章 血液・注射・負傷
 臨床像
 基礎
 機能アセスメント
 治療原理を理解してもらう
 練習計画を立てる
 実行する
 反応妨害する
 ヒントと落とし穴
 事例
 より深く学びたい方のための文献

第15章 不完全、非対称、“しっくりこない”感じ
 臨床像
 基礎
 機能アセスメント
 治療原理を理解してもらう
 練習計画を立てる
 実行する
 反応妨害する
 ヒントと落とし穴
 事例
 より深く学びたい方のための文献

第Ⅲ部 エクスポージャー療法における特別な配慮

第16章 複雑な事例
 複雑な事例に対する治療原則
 よくある併存症と障壁
 結論
 より深く学びたい方のための文献

第17章 子どもへのエクスポージャー療法
 治療の特徴
 その他の観点や治療ツール
 子どもの不安の臨床像
 結論
 より深く学びたい方のための文献

第18章 大切な他者に関与してもらう
 巻き込まれが恐怖を悪化させる
 人間関係での葛藤
 アセスメント
 重要な他者に治療へと関わってもらう工夫
 結論
 より深く学びたい方のための文献

第19章 薬物療法との併用
 薬物はエクスポージャー療法の効果を高めるか?
 薬物療法によるエクスポージャー療法の増強:組み合わせ治療の未来?
 組み合わせ治療に関連する臨床問題
 結論
 より深く学びたい方のための文献

第20章 回復を維持する
 いつ終結するか?
 効果の維持と再発防止
 結論

第21章 テクノロジーを活用する
 なぜテクノロジーか?
 テクノロジーを用いたエクスポージャー療法
 セラピストの役割
 結論

第22章 アクセプタンス&コミットメント・セラピーに基づくエクスポージャー
 ACTとは
 ACTから見たエクスポージャー療法
 準備を整える
 導入する
 実行する
 結論

第23章 リスク-ベネフィット分析:エクスポージャーをしないセラピストの方へ
 エクスポージャー療法への信念
 リスクを最小化する工夫
 倫理的な境界を維持する
 結論


文献
索引
監修者あとがき

著者略歴

著:ジョナサン・S・アブラモウィッツ
ノースカロライナ大学チャペルヒル校の心理学・神経科学教授、精神医学研究教授、および不安症ストレス障害クリニックの所長である。不安症の研究に従事し、これまで250編の論文、章、書籍を出版している。Journal of Obsessive?Compulsive and Related Disorders誌の編集長であり、他の科学誌の編集委員も務めている。米国行動認知療法学会の会長を歴任し、国際強迫症財団の科学・臨床アドバイザリー委員を務めている。メイヨークリニック精神医学・心理学部門から研究功労賞、米国心理学会第12部会から臨床心理学における卓越した科学貢献について若手キャリア賞を授与されている。
著:ブレット・J・ディーコン
オーストラリアのウォロンゴンで個人開業する臨床心理学者であり、ニュー・サウス・ウェールズ大学の協同准教授でもある。これまでおよそ100の研究論文や章を公表し、Behavior Therapistの編集長や、Journal of Cognitive Psychotherapyの副編集長のほか、多くの科学誌の編集委員を務めている。不安へのエクスポージャー療法の均てん化、最適な実施、臨床家や患者からの受け入れ認識に関する研究に携わっている。ワイオミング大学から多数の教育、研究、学生指導に関する賞を受けており、ノーザンイリノイ大学教養・科学部から50周年記念同窓賞を受けている。世界中でエクスポージャー療法の研修を行っている。
著:スティーブン・P・H・ホワイトサイド
ミネソタ州ロチェスターにあるメイヨークリニック小児科不安症プログラムの教授および所長である。小児科不安症でのエビデンスに基づくケアや、テクノロジーを用いた効果的で効率的な治療開発などの強迫症研究に携わっている。Journal of Anxiety Disordersの編集委員や、ミネソタ心理学会の教育訓練部会の委員を務めている。60以上の科学論文を出版しており、エクスポージャーの実施を手助けするスマートフォンアプリ「メイヨークリニック不安コーチ」の協同開発者でもある。

ISBN:9784422118093
出版社:創元社
判型:A5
ページ数:528ページ
定価:6000円(本体)
発行年月日:2023年06月
発売日:2023年06月15日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MJ