難病療養者のこころ
心理臨床と生命倫理の視点から
著:鎌田 依里
著:峯村 優一
内容紹介
難病を抱えて生きる人たちの多様なこころのありようを理解し、効果的な心理的支援を行うために必要な知見を心理臨床、生命倫理の視点から提供する。難病対策に関わる法律や制度の概要から、難病療養者が自己決定する際のこころの動き、自律尊重原則や正義原則など難病支援の基礎となる倫理的原則、そして難病療養者への心理的支援の実際まで、難病支援に携わるすべての人に知っておいてほしい内容を具体的に示した実践的テキスト。
目次
【目次】
はじめに
第1部 難病支援の背景と療養者のこころ
第1章 難病療養者への支援の概要
1.日本における難病対策
2.日本における難病療養者を支援する人
第2章 難病療養者の様々な「自己決定」
1.身体、それは「最も身近な他者」
2.難病の特徴
3.疾患群別の難病等の特徴
4.難病中の難病と言われるALS
5.難病療養者の「自己決定」
第3章 難病療養者が自己決定する際のこころの変遷
1.診断未確定期【自己決定までのフローチャート:0】
2.告知直後期【自己決定までのフローチャート:1・2・3(・4)】
3.進行期または再燃期【自己決定までのフローチャート:2・3・4】
4.安定期【自己決定までのフローチャート:4・5・6】
5.終末期【自己決定までのフローチャート:未確定】
6.誰もが自分らしく尊厳をもって生きるために【自己決定までのフローチャート:6・7】
第4章 難病療養者に対してのインフォームド・コンセント
1.インフォームド・コンセントとは
2.インフォームド・コンセントはどのような問題をはらんでいるか
3.難病療養者に対してのインフォームド・コンセント
第2部 難病療養者と生命倫理
第5章 自律尊重原則と正義原則
1.自律尊重原則
2.正義原則
第6章 無危害原則と善行原則
1.無危害原則
2.善行原則
第7章 功利主義と義務論
1.功利主義
2.義務論
第3部 難病支援の心理臨床
第8章 難病療養者の話を聴く際のポイント――事例を通して考える
1.難病療養者の話を聴く際に
2.自己決定までのフローチャート(難病)で話を聴く立場を担っている人がかかわる部分
3.適切な相談場所への紹介が必要な場合
4.周囲の人との関係性についての悩み
5.臨床心理士の話の聴き方
第9章 治験をめぐる難病療養者のこころ
1.臨床研究
2.治験
3.治験をめぐる難病療養者のこころ
第10章 虐待の実態と難病療養者――難病療養者の虐待を早期発見するために
1.虐待とは
2.虐待の種類
3.被虐待者のサイン
4.「虐待」に対しての心理
付章 心理臨床実践――絵本を用いた支援
1.絵本『難病と診断されたあなたへ』の生まれたきっかけ
2.絵本『難病と診断されたあなたへ』
3.絵本の作成を終えて
資料 諸外国における難病対策
1.諸外国における難病に関する法律
2.各国の希少疾患の定義と特色
3.各国の医療制度
索引
おわりに
ISBN:9784422117898
。出版社:創元社
。判型:A5
。ページ数:224ページ
。定価:2400円(本体)
。発行年月日:2023年02月
。発売日:2023年02月27日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MBN。