第1部 理論
第1章 現代の意識と「非二」
1. 現代の意識の特徴
1) 従来の心理療法の通用しなさ
2) 自分の現在地
3) 事例における「自分の現在地」のあり方の違い
4) 「二項対立」「構造」の不在
2. 事例から見えてくる「構造」「二項対立」「定点」の不在
1)「関わらないこと」による葛藤のなさ
2) 「割り切り」による葛藤不在――感情や感覚のバランスの悪さ
3) 自分という意識の希薄さ
4) 主体的自己の消し去り
5) 他者不在
6) 親の葛藤回避
7) 物理的定点の不在――移動のスピードの加速
3.「非二」の意識
1) 従来の心性と現代的心性
2) 「非二」の意識
3) 「非二」の意識を特徴とするクライエントの語りの印象
4. 時代のこころ
1) 時代のこころとしての主体を発動しないあり方
2) 社会構造と定型発達・非定型発達
第2章 従来の理論と「非二の意識」
1. Balintの創造領域と「非二」の世界
1) エディプス水準(Oedipal area)――三者関係の世界
2) 基底欠損領域(area of basic fault)――排他的二者関係の世界
3) 創造領域(area of creation)――外的対象の非存在
4) 一次愛(primary love)と「非二の意識」
2. Winnicottにおける「非二」について
1) 絶対的依存
2) 相対的依存
3. 精神分析的アプローチにおける「非二」の発達論
1) 心的次元論
2) 分離
3) Live company
4.Jung派における「非二」の発達論
1) ウロボロスとしての「非二」
2) Dock
3) 在―不在のリズム、リズミカルな相互作用
4) Self-agency(自己主体感)
5. 愛着対象と愛着行動
6. 自己感の発達と「非二」
第3章 「非二」の治療論
1. 病態水準と発達障害的な発達における経過のゆらぎ
2. 精神分析的視点からの治療論
1) 詩的能力、探索的解釈
2) セラピストの能動性
3) コミュニケーションの世界へ引き出すこと、逆転移の利用
4) 注意を注ぎ続けること
5) セラピストの先導、責任
6) 分離性の痛みと傷
3. Jung派の視点からの治療論
1) 分析家のSelf-agency、自己主体感
2)分析家の感覚的心的相互作用の活性化
4. 逆転移と分析家の自己主体感
5. 非個人的関係
6. 定型発達の「非定型化」と「非二」
7.「非二」独自のあり方
第2部 事例
第4章 事例A:自閉性障害の3歳男児とのプレイセラピー
1.はじめに
2.事例の概要
3.事例の経過
4.考察
5.おわりに
第5章 事例B:母子分離できない5歳女児とのプレイセラピー
1.はじめに
2.事例の概要
3.事例の経過
4.考察
5.おわりに
第6章 事例C:摂食障害の10代女性との面接
1.はじめに
2.事例の概要
3.事例の経過
4.考察
5.おわりに
第7章 事例D:解離傾向の20代女性との面接
1.はじめに
2.事例の概要
3.事例の経過
4.考察
5.おわりに
第8章 事例E:アスペルガー障害の10代男子との面接
1.はじめに
2.事例の概要
3.事例の経過
4.考察
5.おわりに
第9章 事例F:離人感のある10代女性との面接
1.はじめに
2.事例の概要
3.事例の経過
4.考察
5.おわりに
第10章 事例G:強迫症状のある20代女性との面接
1.はじめに
2.事例の概要
3.事例の経過
4.考察
5.おわりに
第3部 考察
第11章 「二」の事例・「非二」の事例の分析と考察
1. 構造について
1) 場所・空間・スペースについて
2) 意味のある他者
3) 区別・分離の生じ方
4) 内側と外側
2. 関係性から
1) セラピスト自身に誘発された反応
2) セラピストの存在の意味の変遷
3) 不安のあり方
3. リアリティ・リフレクション
1) 身体性
2) 言葉
3) 時間性
4) 鏡のイメージ
第12章 「非二」における「二」の現れ
1.「非二」的外観について
1) 二次的に創られた融合状態について
2) 非二的外観、「二」と「非二」の質について
3) 物語不成立状態からの心理療法
2.「非二」において「他者」として現れる「二」
1) 他者との出会いがもたらすもの
2) ばらばらな自分のリフレクションあるいは「二」の形へ
3) 様々な他者
4) モデルからの解放と見世物
5)「非二」的洗練と個性
3.「隙間・スペース」として現れる「二」
1)「非二」――内面化への契機としての隙間
2) 隙間を開くことと「傷」の関連
3) 異世界への通路としての隙間、意識の発生としての隙間
4) 隙間への供犠
5) 裂け目に発生する物語
6) 隙間の生成と現代の心理療法
4.「身体」として現れる「二」
1) 身体としての自己感
2) 身体性と魂の傷
第13章 錬金術と現代の意識――傷・暴力・かなしみをめぐって
1. 硫黄(sulfa)の暴力性――燃焼と黄化
2. 塩の精製と傷
3. 塩が精製されず、硫黄になること――虐待事例から
4. 生まれることと傷・暴力――傷つく可能性としての主体
第14章 現代の意識と心理療法
1. 現代の意識と心理療法
2. 非個人的関係とかなしみ
引用文献
索引
初出一覧