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夢の意味

著:C・A・マイヤー
監:河合 隼雄
訳:河合 俊雄

紙版

内容紹介

ユングと研究を共にし、ユング研究所の初代所長を務めた著者が、長年の臨床経験をもとにユング心理学を一層発展させた。本書は「~の夢を見ると、~である」といった夢の象徴について紋切型の解答を与えるものではない。内的世界だけでなく外的現実にも目を向け、生理学的研究も含め夢に関する極めて包括的なアプローチを示す。東西の古代の夢理論や夢の劇的な構造、夢分析の実際例に至るまで、夢を考察。

目次

〔目次〕


◆第一章 方法論への原則的なこと 
◆第二章 夢研究の方法 
 1 合理的方法 
 2 拡充法 
  自由連想と拡充 
 3 実験的方法 
  ?様々な深さの睡眠時における夢 
   ?古代ウパニシャドにおける深睡眠についての思索 
   ?表面的睡眠 
  ? 身体的夢 
   ?外的(客観的)感覚刺激 
   ?内的(主観的)感覚刺激 
   ?内的(器官的)身体刺激 
   ?純粋に心的な刺激源 
  カール・シュロッター 
   α 睡眠との組み合わせ 
  カール・アルベルト・シェルナー 
   β 連想実験との組み合わせ 
   γ ジルベラーのレカノマンティア的方法 
 4 夢への現代の実験的接近 
◆第三章 昔の夢理論 
 1 エジプトと旧約聖書 
 2 インドの夢理論 
 3 古代ギリシアにおける夢 
  α マクロビウス 
  β シネシウス 
  γ アルテミドル 
  δ 夢神託とインキュベーション 
 4 古代後期、中世、ルネッサンス 
 5 ロマン派、近代 
 6 近年の夢理論 
◆第四章 C・G・ユングのコンプレックス心理学における夢 
 1 コンプレックス理論と夢 
 2 夢の劇的構造 
 3 客観的段階と主観的段階での解釈 
 4 補償 
 5 象徴性 
 6 典型的なモチーフ 
 7 混交 
 8 圧縮 
 9 多数化 
 10 具体化 
 11 劇化 
 12 古代化 
 13 いかにすれば夢素材を有益に取り扱えるかについての提案 
◆第五章 夢の分析の技術 
 ある夢シリーズからの例 
◆エピローグ 

原注 
訳注 
解説 河合隼雄 
訳者あとがき 
文献

著者略歴

著:C・A・マイヤー
1905年、スイスのシャッフハウゼンに生まれ、チューリッヒ大学に学び、1929年医学博士。1930年から1936年までチューリッヒ大学付属ブルクヘルツリ精神病院に勤務した後、個人開業。ユングとは最初から研究を共にし、1948年にユング研究所が設立されたときに初代所長に就任し、1957年まで務める。1961年教授。分析心理学会の長老として活躍していたが、1995年死去。著書として『ユング心理学概説』(創元社)、『夢の治癒力』(筑摩書房)などがある。
監:河合 隼雄
1928年、兵庫県生まれ。京都大学教育学博士。京都大学名誉教授。元・文化庁長官。日本の臨床心理学における第一人者。2007年7月19日に逝去。
1959年にアメリカへ留学。1962年にスイスのユング研究所に留学し、日本人として初めてユング派分析家の資格を取得。1965年に帰国後、京都大学教育学部で臨床心理学を教えるかたわら、ユングの分析心理学を日本に紹介し、その発展に寄与。1992年、京都大学を退官。1995年、国際日本文化研究センター所長、2002年、第16代文化庁長官に就任。
著書に『ユング心理学入門』『昔話と日本人の心』『明恵 夢を生きる』『河合隼雄著作集(全一四巻)』ほか多数。
訳:河合 俊雄
1957年、奈良県生まれ。京都大学こころの未来研究センター教授、センター長。京都大学大学院教育学研究科修士課程修了。ユング派分析家、臨床心理士、公認心理師。主な著書に、『心理臨床の理論』(岩波書店)、『京都「癒しの道」案内』(朝日新書、共著)、『発達障害への心理療法的アプローチ』(創元社、編著)などがある。

ISBN:9784422117249
出版社:創元社
判型:A5
ページ数:244ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2019年09月
発売日:2019年09月17日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:MKM