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私たちは市民金融を作った

お金を持ち寄り、市民事業を支援した1000人の軌跡 女性・市民コミュニティバンクの実践

著:女性・市民コミュニティバンク理事長 向田 映子

紙版

内容紹介

1990年代、バブルが崩壊し、金融機関がつぶれ、金融の不祥事が噴出したとき、「そもそも金融機関の役割は何だったんだろう」と考えた。考えてみれば、自分たちが預けたお金が、何に使われているのか報告されたことはなかった。気付けば、自分たちが反対している事業は銀行から投融資を受け、皮肉にも、その銀行に自分たちが預金することによって支援している。これを断ち切りたい、そして、自分たちが納得できる先に融資する銀行が欲しいと思うようになった。

一方、1980年頃から、女性たちがお金を持ち寄り、地域を暮らしやすくしたいと、協同組合型の働き方による市民事業を起こし始めていた。しかし、立ち上げの資金を銀行に申し込んでも、女性だから、法人格が無いからと断られていた。自分たちを信用してお金を貸してくれる銀行が欲しいというのが、女性たちの切実な思いだった…。

この記録集は、無かったら作ればいい、と立ち上がった女性たちの物語。周囲に呼びかけ出資金を集め、応援したい事業に融資する非営利・協同の、透明性の高い金融機関「女性・市民コミュニティバンク(略:WCA)」を設立、四半世紀という長きにわたる活動を経て幕を閉じるまでの奮闘記である。

■目次
1 私たちは市民金融を作った お金を持ち寄り、市民事業を支援した1000人の奇跡
女性・市民コミュニティバンクの概要/設立の背景
設立の経緯/現代版の無尽―信用組合作りをめざす/どうすれば信用組合を作れるのか
神奈川県金融課と折衝を開始
信用組合設立の活動(賛同者・出資金の募集)を開始
心強い助っ人―銀行勤務経験者の参加
出資金の募集―次々賛同者が現れる/信用組合を設立する活動を開始/
全国の小規模の信用組合を訪ねる/いろいろな分野の方たちからのエール
信用組合設立活動と壁、さまざまな模索/
信用組合でなくても融資が可能な金融―「貸金業」の検討/貸金業という世界に飛び込む
「信用組合作り」と「貸金業登録」
融資先―それぞれに物語がある/個人への融資を始める/融資相談への対応と融資しなかった例
外部からの融資のためのお金の借入れ
…ほか

2 寄稿―女性・市民コミュニティバンクにかかわった方々からのメッセージ
「協同組合の原点」をしんくみ業界に思い起こさせてくれた女性・市民信用組合設立運動
(大阪公立大学教授 由里宗之)
出資者からの声
融資先からの声 

3 資料編
女性・市民バンク設立趣意書
女性・市民コミュニティバンク定款
出資金・借入金と融資残高の推移
分野別融資金額/分野別融資件数
女性・市民コミュニティバンク 年表
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目次

1 私たちは市民金融を作った お金を持ち寄り、市民事業を支援した1000人の奇跡
女性・市民コミュニティバンクの概要/設立の背景
設立の経緯/現代版の無尽―信用組合作りをめざす/どうすれば信用組合を作れるのか
神奈川県金融課と折衝を開始
信用組合設立の活動(賛同者・出資金の募集)を開始
心強い助っ人―銀行勤務経験者の参加
出資金の募集―次々賛同者が現れる/信用組合を設立する活動を開始/
全国の小規模の信用組合を訪ねる/いろいろな分野の方たちからのエール
信用組合設立活動と壁、さまざまな模索/
信用組合でなくても融資が可能な金融―「貸金業」の検討/貸金業という世界に飛び込む
「信用組合作り」と「貸金業登録」
融資先―それぞれに物語がある/個人への融資を始める/融資相談への対応と融資しなかった例
外部からの融資のためのお金の借入れ
融資が伸長、順調な貸付金の回収の理由/ご寄付に感謝
GLSコミュニティバンクを訪問調査
NPOバンクの二つの危機/貸金業法改正への適用除外活動開始/
NPOバンクは一部適用除外に。しかし、本来は支援する制度が必要
NPOバンクにふさわしい法律「社会的(非営利)金融事業法」を作ろう/
信用組合の設立は一旦休止し、名称を「女性・市民コミュニティバンク」に/
融資の伸びの鈍化と、政府の市民資本支援を考える
女性・市民コミュニティバンクの継続・発展のために
女性・市民コミュニティバンクを閉める決断
女性・市民コミュニティバンクの成果

2 寄稿―女性・市民コミュニティバンクにかかわった方々からのメッセージ
「協同組合の原点」をしんくみ業界に思い起こさせてくれた女性・市民信用組合設立運動
(大阪公立大学教授 由里宗之)
・出資者からの声
 これまで経験した中で一番大きなご褒美配当
 女の胆力
 女性・市民コミュニティバンクの活動から学んだこと
 融資審査委員会委員長として 審査する側も、融資される側も、誰もが感謝する機会になった
・融資先からの声 
 [団体融資先]
 (保育園関係)感謝と誇り
 (高齢者福祉関係)女性・市民コミュニティバンクの存在は、新しい一歩を踏み出す力になりました
 (化学・環境分野関係)現在も機械は元気に稼働、粉石けん「きなりっこ」粉砕機
 [個人融資先]
 (太陽光発電)毎日の太陽の日差しが 我が家を電気で満たす幸せ
 (教育ローン)活動に感謝

3 資料編
女性・市民バンク設立趣意書
女性・市民コミュニティバンク定款
出資金・借入金と融資残高の推移
分野別融資金額/分野別融資件数
女性・市民コミュニティバンク 年表

著者略歴

著:女性・市民コミュニティバンク理事長 向田 映子
1946年東京生まれ。東京薬科大学卒、藤沢薬品工業(株)勤務。1986年横浜市に転居後、リサイクル運動に取り組む。生活クラブ生協神奈川理事、横浜市議(2期)、神奈川県議(1期)をへて、1998年~女性・市民コミュニティバンク(旧:女性・市民信用組合設立準備会)理事長。2010年~2011年内閣府「新しい公共」推進会議委員。

ISBN:9784416923740
出版社:誠文堂新光社
判型:A5
ページ数:128ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2024年03月
発売日:2024年03月12日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KJ