人と思想 197
三島由紀夫
著:熊野 純彦
紙版
内容紹介
三島由紀夫の決定版評伝
「昭和」を駆けぬけるように生きた三島由紀夫。
その政治的行動の背後にある、ひとりの文学者としての
生と思考の軌跡を、現代の読者とともに辿りなおす。
——三島文学になにを見いだすか、
あるいは、そもそもなにも見いださないのか——
目次
目次(内容と構成)
はじめに ――三島由紀夫と高橋和巳――
序 章 1970年11月25日
その前日
その当日
その翌日
第Ⅰ章 「三島由紀夫」の誕生
「盥のふち」の記憶
学習院の 「詩を書く少年」
「花ざかりの森」、あるいはひとつの宿命
第Ⅱ章 再出発と花形作家への道
戦後文学における三島の位置
戦中と戦後を繋ぐもの――『盗賊』と「岬にての物語」
青春のおわりと『仮面の告白』
若き花形作家――『純白の夜』『愛の渇き』から『禁色』へ
第Ⅲ章 古典主義とロマン主義とのあいだで
古典古代への憧憬――『潮騒』執筆の背景
三島文学のひとつの頂点、あるいは『金閣寺』
認識と行為とのあいだ――小説家の結婚と『鏡子の家』
ユートピア小説の系譜――『美しい星』と『午後の曳航』
第Ⅳ章 『豊饒の海』、あるいは時間と永遠とのはざま
ガンジスの流れのほとりにて――『暁の寺』の背景
ロマンの絶頂とロマンの終焉――『春の雪』とその世界
行動の文学と、文学者の行動と――最後の傑作『奔馬』によせて
終 章 『天人五衰』、あるいは1970年11月25日ふたたび
あとがき