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もう誰にも相談できずに悩まなくたっていい――

30年以上にわたり数多くの患者を支えてきた専門医が、
性感染症「尖圭コンジローマ」の正しい知識と治療法を徹底解説！

性交渉を介して感染し、陰部にイボ状の病変を生じる「尖圭コンジローマ」。自覚症状が乏しいまま進行しやすく、膣や肛門、尿道の奥にまで拡がることもあります。しかし「恥ずかしくて誰にも相談できない」「医療機関を受診しても納得のいく説明が得られない」といった理由から、不安を抱えたまま一人で悩み続ける人は少なくありません。
著者は福岡県で外科、消化器内科、性感染症科に特化したクリニックを長年運営し、クラミジア感染症や淋病などの性感染症に苦しむ多くの若者を診療してきた医師です。不要な検査や高額な自費診療に頼らず、保険診療を基本とした日帰り手術と経過観察による治療を続けてきました。その姿勢は「できるだけ患者の負担を減らす」ことに一貫しており、30年以上の臨床経験がその実践を支えています。
本書では、尖圭コンジローマの正しい知識、受診から治療、再発予防までの流れを、豊富な実例を交えて分かりやすく解説します。また「恥ずかしい」「誰にも言えない」といった心の苦しみにも寄り添い、安心して治療に踏み出せるよう導きます。性感染症に悩むすべての人に、科学的根拠に基づいた適切な情報と勇気を届ける一冊です。

はじめに

Part1　＃アソコにへんなイボがある
性感染症「尖圭コンジローマ」とは
目立たないイボ系性病「尖圭コンジローマ」とは
　見分けのつかないへんなイボ
　尖圭コンジローマじゃない“イボ”もある
尖圭コンジローマとは？
　ヒトパピローマウイルス（HPV）によるウイルス感染症
　感染のきっかけは“ちょっとした接触”から
　どこにできる？　どう見える？
気づかずに放置していると治療困難に
　イボは静かに、でも確実に増えていく
　時間とともに“中”に拡がって、治療も大がかりに
　放置することで他人への感染リスクも上昇

Part2　尖圭コンジローマができたらどうする？
自分とパートナーを守るための正しい知識
尖圭コンジローマのサインとリスク
　かゆみがあれば尖圭コンジローマ発症のサインかも？
　妊娠中に尖圭コンジローマになったら
　妊娠中の尖圭コンジローマは産道感染のリスクも
　ほかの性感染症に同時に感染する可能性はある？
尖圭コンジローマのよくある治療法
　よく処方される「クリーム」
　「クリームで様子見」でいいって本当？
　イボを凍傷にさせて治す液体窒素（冷凍凝固）療法
　イボをくりぬく、または焼灼するレーザー治療
　漢方薬やHPVワクチンは有効？
イボができたら、まずは病院へ
　高額なクリニックばかり検索で出てくるんだけど……
　尖圭コンジローマができたときの病院の選び方

Part3　早期発見→スグ手術が最善手!
診断から日帰り手術、経過観察までの流れ
受診したその日のうちに日帰り手術のススメ
　手っ取り早い治療法は電気メスで「焼く」
　性器周り以外の部位も電気メスで治療する
電気メスによる尖圭コンジローマの治療の流れ
　問診ではどんなことを聞かれるの？
　診断はほとんど「見た目」で行う
　受診したその日に日帰り手術で一度に治す
　日帰り手術の注意点
　手術のあとは3カ月間の定期的な通院が必要
　治療を終えても、どうしても再発はあり得る
　治療したところが元どおりになるのか心配な人へ
実際に症状別の治療例を見てみよう
　治療例1 軽症の場合（所要時間:5分以内）
　治療例2 中等症の場合（所要時間:5～10分）
　治療例3 重症の場合（所要時間:60分～）
　実際の症例を見てみよう

Part4　パートナーや家族には知られたくない……
一人で抱えやすい悩みだからこそ、勇気を出して専門医を頼ろう
拡がり続ける尖圭コンジローマの感染　
　尖圭コンジローマの患者はどれくらいいるの？
　性感染症に感染する機会は至るところにある
尖圭コンジローマの感染や再発から身を守るために
　うつさない、再発しないためにできること
　家族や友人に知られないためには？
　パートナーにはどう打ち明けるべき？
　性ビジネスに携わる2カ月もお仕事を休めない人へ
　勇気を出して、今こそ一歩を踏み出そう

おわりに

著：岩崎一教
岩崎一教(いわさき かずのり)
1949年 9月 2日生まれ。医学博士、外科指導医。1974年 4月～1994年 3月まで九州大学病院第一外科で主に胃がんの手術を行う。1994年 4月いわさき一教クリニックを有床診療所として福岡市中央区に開業。当初は大学時代の同僚や医師を呼んで大腸がんや胃がんの手術を行うこともあった。その後、肛門科、美容外科を中心に日帰り手術を開始。2008年頃からは、尖圭コンジローマの診療に本格的に取り組み始め、現在では、電気メスによる焼灼術を中心とした治療を行っている。年々増加傾向にある患者と向き合いながら、再発防止・予防啓発の重要性を強く感じ、本書の出版に至る。2024年で開院 30周年を迎えた。