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メディア学大系 3

コンテンツクリエーション(改訂版)

(改訂版)

他著:三上 浩司
他著:戀津 魁
他著:近藤 邦雄

紙版

内容紹介

【読者対象】
映像コンテンツの制作工程,シナリオやキャラクター制作の工学的な考え方や技術を学ぼうとする学生

【書籍の特徴】
筆者らは映像作品の工学的な分析に基づく「シナリオの執筆・評価手法」や「キャラクターメイキング・評価手法」,「ミザンセーヌ手法(演出手法)」など,勘と経験による制作手法を体系化する研究と教育を行ってきました。これらの成果をもとに文・理・芸融合の学部であったメディア学部の特徴を生かし,コンテンツの制作技能の習得とディジタル映像の原理や技術の教育を行ってきました。そして1年次からCGアニメやゲームなどの開発に参加できるカリキュラムを活用し,独自の教材や制作システムを開発して,制作とそれを支える技術の双方を関連付けて学べる仕組みを生み出しました。これは,単に既存のソフトを使用して映像制作をするのではなく,その仕組みや原理を理解することができるような教育内容です。本分野の教育研究成果は学会や産業界で高い評価を得ています。本書はこれらの教育成果をもとに執筆しました。

【各章について】
第1章ではコンテンツクリエーションと産業,コンテンツにかかわるスタッフとキャリアパス,およびクリエーションにかかわるリソースについて述べ,市場や資金,費用などのプロデュースの視点から考え方を紹介しています。第2章では,コンテンツの制作工程について述べています.とくにディジタル化によって進化するパイプラインについて焦点をあてています。さらに,プレプロダクション段階における企画,シナリオ,デザイン,ミザンセーヌ,そして,プロダクション,ポストプロダクション段階について説明しています。
第3章では、シナリオライティングの手法とシナリオ制作支援システムについて解説し,シナリオ制作の実際について述べています。さらにシナリオエンジンの使い方に加え,その仕組みなどを解説しています。
第4章では,ストーリーやキャラクターの行動,性格設定などのリテラル資料の作成や,キャラクター原案の制作などを考慮したディジタルキャラクターメイキング手法と制作事例をもとにキャラクターメイキングの実際について紹介しています。第5章ではDREAMプロセスにおけるビジュアル化のための手法とデザイン支援システムを解説し,第6章では演出のためのライティングやカメラワークの支援システムについて解説しました。コンテンツクリエーションのための支援システムの説明を加えるとともに,支援システムやテンプレートを公開してコンテンツクリエーションの演習を実施しやすくしました。本書をもとにした制作体験を通じて,コンテンツ制作の基礎を習得できることを狙っています。

目次

1. コンテンツクリエーションと産業
1.1 コンテンツクリエーションの導入 
 1.1.1 本書におけるコンテンツ 
 1.1.2 メディアコンテンツの分類と要素技術 
 1.1.3 メディアコンテンツ制作を学ぶための心構え 
1.2 コンテンツにかかわるスタッフとキャリアパス 
 1.2.1 コンテンツ制作にかかわるスタッフ 
 1.2.2 コンテンツ制作のキャリアディベロップメント 
1.3 クリエーションにかかわるリソース 
 1.3.1 メディアコンテンツ制作の構造 
 1.3.2 メディアコンテンツ産業の市場規模とトレンド 
 1.3.3 制作にかかる費用 
 1.3.4 資金調達 
演習問題 
2. プレプロダクションの全体像
2.1 進化する制作工程 
 2.1.1 コンテンツの制作工程の体系 
 2.1.2 制作工程を変化させてきたディジタル化 
 2.1.3 コンテンツクリエーションと新技術のバランス 
 2.1.4 コンテンツクリエーションのためのメディアリテラシー 
2.2 プレプロダクション 
 2.2.1 プレプロダクションの全体像 
 2.2.2 企画 
 2.2.3 シナリオ 
 2.2.4 デザイン・設定 
 2.2.5 絵コンテ 
演習問題 
3. シナリオライティング
3.1 シナリオとは 
 3.1.1 シナリオの大構造 
 3.1.2 筋立てと描写 
 3.1.3 満足感のある作品を生み出すために(シナリオの外的構造) 
 3.1.4 確かなシナリオにするために(シナリオの内的構造) 
3.2 シナリオライティング手法 
 3.2.1 Sプロット,Mプロット 
 3.2.2 Lプロット,フルプロット 
 3.2.3 フェイズプロットからシーン分けフルフェイズプロット 
 3.2.4 準備稿から完成稿まで 
3.3 シナリオ執筆支援システム 
 3.3.1 本システムにおけるシナリオ記述ワークフロー 
 3.3.2 構造化シナリオの情報管理手法 
 3.3.3 インタフェース概要 
 3.3.4 執筆用インタフェース 
 3.3.5 情報閲覧インタフェース 
3.4 シナリオの評価 
 3.4.1 シナリオ基礎情報 
 3.4.2 シナリオ総合分析・評価 
 3.4.3 シナリオ構造分析・評価 
 3.4.4 シナリオ内容分析・評価 
 3.4.5 そのほかの分析・評価 
 3.4.6 アナリスト 
3.5 シナリオ情報の可視化 
 3.5.1 配色タイムライン 
 3.5.2 シーンの登場人物情報を用いた関係性の可視化 
演習問題 
4. キャラクターメイキング
4.1 キャラクターメイキングの概要 
 4.1.1 映像コンテンツ制作産業の現状とキャラクター 
 4.1.2 キャラクターとその制作手法 
 4.1.3 キャラクターメイキングと制作プロセスの課題 
4.2 映像コンテンツ制作の産業構造とキャラクター 
 4.2.1 映像コンテンツ制作と産業構造の関係 
 4.2.2 キャラクターの定義 
 4.2.3 キャラクターの構成要素 
 4.2.4 キャラクターメイキングの職種による視点 
 4.2.5 キャラクター創作と産業や社会との関係 
4.3 DREAMプロセス 
 4.3.1 キャラクターメイキングプロセスと要素 
 4.3.2 DREAMプロセスの概要 
 4.3.3 ディベロッピング工程:リテラル資料 
 4.3.4 ディベロッピング工程:ビジュアル資料 
 4.3.5 レンダリング工程 
 4.3.6 エクスプロイティング工程 
 4.3.7 アクティベーション工程 
 4.3.8 マネージメント工程 
4.4 キャラクターメイキングテンプレートと実例 
 4.4.1 ディベロッピング工程:リテラル情報の作成 
 4.4.2 ディベロッピング工程:ビジュアル情報設定,デザイン原案制作 
 4.4.3 レンダリング工程:キャラクターの特徴化 
 4.4.4 エクスプロイティング工程 
演習問題 
5. キャラクターデザイン
5.1 キャラクターデザインの概要 
 5.1.1 キャラクターデザイン 
 5.1.2 暗黙的知識と形式知 
 5.1.3 ディジタルスクラップブック 
5.2 キャラクターの表情 
 5.2.13 D−CGキャラクターの表情表現 
 5.2.2 キャラクターの表情の分類と活用 
5.3 キャラクターの配色デザイン 
 5.3.1 キャラクターの配色シミュレーションシステム 
 5.3.2 集団キャラクターの配色シミュレーションシステム 
5.4 3D−CGパーツスクラップブックによるキャラクター形状デザイン 
 5.4.13 D−CGロボットパーツ 
 5.4.2 ロボットデザイン原案制作支援システム 
演習問題 
6. 演出・ミザンセーヌ
6.1 演出・ミザンセーヌの概要 
6.2 演出のためのライティング 
 6.2.1 キャラクター演出のためのライティング 
 6.2.2 背景のためのライティング 
6.3 演出のためのカメラワーク 
演習問題 
引用・参考文献 
索引 

ISBN:9784339027990
出版社:コロナ社
判型:A5
ページ数:204ページ
定価:2700円(本体)
発行年月日:2023年03月
発売日:2023年02月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:ATF