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ヘンリー・スティムソン回顧録 上

著:ヘンリー・L・スティムソン
著:マックジョージ・バンディ
他訳:中沢 志保

紙版

内容紹介

20世紀前半の半世紀近い間、フィリピン総督、国務長官、陸軍長官など、アメリカ政府の要職に就き、原爆投下など、数々の政策決定にその中核メンバーとして参画したヘンリー・スティムソンが、その生涯を多角的に語りつくした回顧録。近現代アメリカ史、さらには近現代史を知るうえで欠かすことのできない必読書。

セオドア・ローズヴェルト、タフト、フランクリン・ローズヴェルト、トルーマンら歴代アメリカ大統領との生々しいやりとり、チャーチルやスターリン、ムッソリーニら各国要人との息詰まる駆け引き、激動する世界の渦中で分裂の危機に瀕したアメリカ――当事者だけが語りうる証言の数かずが歴史の舞台裏を明らかにする。

目次

序文
第一部 いくつもの戦いの場
 第一章 連邦検事として
 第二章 ローズヴェルト、タフトとともに
   一 知事選への出馬/二 陸軍長官/三 一九一二年の分裂
 第三章 責任ある政府
   一 ニューヨーク州新憲法草案の作成/二 憲法制定会議にて/三 成功、失敗、そして勝利/四 革新的保守主義者の信条
 第四章 変容する世界
   一 アメリカと戦争/二 スティムソン大佐
 第五章 一市民として
   一 国際連盟をめぐる闘い/二 法廷での活動/三 ティピタパの和平
 第六章 フィリピン総督
   一 背景/二 幸せな一年/三 その後の失望と幾ばくかの希望
第二部 藁の槍を手に
 第七章 建設的な国務長官前半期
   一 一九二九年、ワシントンにて/二 一九三〇年、ロンドンにて/三 一九三一年、ラテンアメリカにて
 第八章 破滅の始まり
   一 嵐の前に/二 ヨーロッパにおける経済危機/三 「厄介な戦債」問題
 第九章 極東危機
   一 日本の決定/二 協調から不承認へ/三 上海/四 ボラー書簡/五 結末と回想
 第一〇章 決断力のなさが招いた悲劇
   一 軍縮――表面的な問題/二 政治家としての資質の欠如
 第一一章 再び一市民へ
   一 一九三二年大統領選挙/二 選挙後は仲介役として
 第一二章 全面戦争に向けて
   一 市民として、オブザーヴァーとして/二 一九三三年から一九四〇年――凶事の予言者

著者略歴

著:ヘンリー・L・スティムソン
アメリカ合衆国の政治家。タフト政権下で陸軍長官(1911~1913)、クーリッジ政権下でフィリピン総督(1928~1929)、フーヴァー政権下で国務長官(1929~1933)、フランクリン・ローズヴェルトならびにハリー・トルーマン政権下で陸軍長官(1940~1945)など数々の要職を歴任、20世紀前半期のアメリカ合衆国のさまざまな政策決定に深く関与した。1945年9月陸軍長官を退任、マックジョージ・バンディの助けを借りて回顧録を執筆した。1950年83歳で死去。
著:マックジョージ・バンディ
アメリカ合衆国の政治学者。ケネディ政権、ジョンソン政権で国家安全保障担当大統領補佐官(1961~1966)を務め、キューバ危機、ヴェトナム戦争などアメリカの安全保障政策に深く関わった。大統領補佐官辞任後は、フォード財団理事長、ニューヨーク大学教授などを務めた。1996年77歳で死去。父は、ヘンリー・スティムソンの特別顧問のハーヴェイ・バンディ。
他訳:中沢 志保
1955年長野県生まれ。津田塾大学大学院国際関係学研究科博士後期課程修了。博士(国際関係学)。現在、文化学園大学現代文化学部教授。専攻、国際関係学・国際政治史。
著書に、『オッペンハイマー――原爆の父はなぜ水爆開発に反対したか――』(中央公論新社、1995年)、『ヘンリー・スティムソンと「アメリカの世紀」』(国書刊行会、2014年)、訳書に『ヘンリー・スティムソン回顧録(上・下)』(国書刊行会、2017、共訳)などがある。

ISBN:9784336061485
出版社:国書刊行会
判型:A5
ページ数:380ページ
定価:4600円(本体)
発行年月日:2017年06月
発売日:2017年06月21日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JP
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:NH