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民事裁判の法理と実践

加藤新太郎先生古稀祝賀論文集

他著:三木 浩一
他編:山本 和彦
他編:松下 淳一

紙版

内容紹介

実務と理論を架橋し、民事裁判を多様な視角から照射した珠玉の論文集!

 東京地裁判事補をスタートに、大阪地裁、東京地裁、司法研修所事務局長・第一部上席教官、新潟および水戸地裁所長、東京高裁民事長官代行等、裁判官として輝かしい足跡を残し、退官後も、中央大学大学院法務研究科教授・弁護士として、今なお活躍中の加藤新太郎先生の古稀をお祝いする論文集。
 加藤先生ご自身の手による巻末の著作目録は、裁判官時代から、いかに理論家として、膨大な数の著作を発表されたかがわかり、圧巻。加藤先生が実務と理論を縦横に行き来して成し遂げられた業績を象徴するように、判決手続、執行法、倒産法、国際民事訴訟法、ADR、司法制度、裁判実務、民事実体法と多彩な分野にわたる論文を、第一線で活躍する研究者および実務家39名が寄稿。
 実務家として理論家としてわが国の民事司法の発展に多大な寄与をされてきた稀有な存在にふさわしい一冊です。

目次

第1部 判決手続
第2部 執行法・倒産法
第3部 国際民事訴訟・ADR
第4部 民事司法一般
【加藤新太郎先生 経歴・著作目録】


【詳細目次】
第1部 判決手続
 コンピューター関連技術と民事裁判  三木浩一
 批判的言論の威嚇を目的とする訴訟と違法訴訟  我妻 学
 専門訴訟における専門委員の活用に関する実務上の諸問題  杉浦徳宏
 専門訴訟における裁判の正当性について
  ――医療訴訟を例に  関口剛弘
 将来の給付判決をめぐる若干の問題
  ――諫早湾干拓紛争請求異議訴訟を契機として  西川佳代
 法人でない社団等の「事件限りの権利能力」についての覚書  畑 瑞穂
 訴訟代理の現状と課題――司法制度改革を経ての変化  手賀 寛
 口頭による争点整理の手法に関する一試論  村田 渉
 一律請求における数量的一部請求と特定一部請求
  ――福島第一原発事故の集団訴訟における慰謝料の一律一部請求を例として  佐瀬裕史
 不法行為訴訟における「結果回避義務違反」の直接事実は存在するか?
  ――準主要事実概念の復権に与しつつ  坂田 宏
 「論証責任論」に関する一考察  山本和彦
 民事訴訟法理論における心理学的知見の意義について
  ――証拠調べにおける供述心理学を中心に  髙田昌宏
 既判力の作用について  萩澤達彦
 信義則による後訴遮断と訴権の濫用  松村和德
 既判力論における「先決関係」と「矛盾関係」について
  ――明示の一部請求の全部または一部を棄却する確定判決の既判力をめぐる学説を題材にして  山本克己
 後訴審からみた既判力の作用と口頭弁論終結後の承継人への拡張  森 宏司
 対世効の再構成  菱田雄郷
 反射効の理論に関する一視角  垣内秀介
 訴訟上の和解と熟柿主義
  ――当事者主導型和解に向けて  小林 学
 訴え却下判決に対する控訴と不利益変更禁止の原則  長谷部由起子

第2部 執行法・倒産法
 債務者の財産情報取得手続の現状と課題
  ――令和元年改正民事執行法の規律を踏まえて  中島弘雅
 第三者占有物についての引渡執行の方法  下村眞美
 破産法上の開始時現存額主義と民法上の一部弁済による代位の規律との関係についての一考察  八田卓也
 民事再生手続における計画外事業譲渡の許可要件について  工藤敏隆
 官報公告と倒産手続関係人の行為責任  佐藤鉄男
 財団債権・共益債権の行使をめぐるいくつかの問題の若干の検討
  ――最判平成25年11月21日で残された問題を中心に  島岡大雄
 「再生計画で定められた弁済期間」の意義について  松下淳一

第3部 国際民事訴訟・ADR
 外国判決承認における手続的公序と手続原則
  ――ドイツ法の復習  安達栄司
 外国裁判文書および裁判外文書の承認・執行をめぐる制度的課題
  ――国際ビジネス紛争解決の現場から  古田啓昌
 子の意見聴取の機会の保障と手続的公序
  ――外国判決の承認・執行の観点からの考察  村上正子
 ハイブリッド型手続の光と影
  ――Med-Arbを例として  山田 文

第4部 民事司法一般
 少額多数被害の回復手続に要するコストの分担に関する法的議論の現状について
  ――アメリカ法との比較に基づく覚書  内海博俊
 利益相反回避手段としての情報遮断措置の位置付け
  ――アメリカにおける議論の変遷を参考に  石田京子
 AIによる裁判支援システムに対する国民の期待と不安  太田勝造
 アメリカにおける裁判所信頼度調査とその成果がもたらしたもの
  ――日本への示唆を求めて  菅原郁夫
 定型取引としての社債契約と社債管理者の訴訟上の地位  須藤典明
 裁判官と裁判所書記官との協働の展開  松田典浩
 改正民法の下における表見代理の変容動向  森 炎
 職務発明関連訴訟に関する覚書  吉田和彦
【加藤新太郎先生 経歴・著作目録】

著者略歴

他著:三木 浩一
慶應義塾大学大学院法務研究科教授(2020年9月現在)
他編:山本 和彦
一橋大学大学院法学研究科教授(2022年12月現在)
他編:松下 淳一
東京大学大学院法学政治学研究科教授(2020年9月現在)

ISBN:9784335358401
出版社:弘文堂
判型:A5
ページ数:824ページ
定価:14000円(本体)
発行年月日:2020年09月
発売日:2020年09月26日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:LNAA