第1部 AI・ロボットと人間にとっての「意味」
第1章 AI・ロボットとの次なる共存に向けて:「意味」を語る意味[河島茂生](メディア研究、情報倫理)
1-1 社会的背景
1-2 「意味」、生き物、人間社会、AI・ロボット
1-3 意味の多様性と重要さ
1-4 本書のアプローチ
1-5 本書の枠組みと観察の位置
第2章 記号創発システム:身体と社会に基づく意味の創発[谷口忠大](創発システム、人工知能、ロボティクス)
2-1 言葉の意味と環世界
2-2 「閉じた認知」に生じる記号過程
2-3 記号創発システム
2-4 記号接地問題から記号創発問題へ
2-5 記号創発ロボティクス
2-6 ネオ・サイバネティクスと記号創発システム
第3章 ネオ・サイバネティクスからの接近: 生命システムによる意味創出と情報伝達というフィクション[西田洋平](ネオ・サイバネティクス、情報学、図書館情報学)
3-1 生命と認知の表裏一体性
3-2 生命システムによる意味創出
3-3 基礎情報学とHACSモデル
3-4 HACSと記号創発システムの異同
3-5 記号創発ロボティクスの可能性
第4章 プラグマティズムからの接近:記号の意味とは何か[加藤隆文](プラグマティズムの哲学、美学、芸術学、記号論)
4-1 意味について
4-2 記号について:パースの記号論
4-3 記号創発システムにおける人間の自己像
4-4 プラグマティズム、探究共同体、記号創発システム
第2部 意味はどこから立ち上がるのか
第5章 記号創発ロボティクス:意味の工学的探究[長井隆行](知能ロボティクス)
5-1 意味とは何か
5-2 意味の三角形を構成する
5-3 道具としてのロボット(意味と身体)
第6章 意味の身体性:記号創発ロボティクスとネオ・サイバネティクスの交差点[原島大輔](基礎情報学、表象文化論)
6-1 意味の身体性
6-2 コンピューティング・パラダイムとサイバネティック・パラダイム
6-3 情報学的転回
6-4 超越論的現象学
6-5 メディア
6-6 生命の意味
第7章 子どもとロボットの発達:生命情報から社会情報へ[佐治伸郎](言語心理学、言語習得)
7-1 はじめに
7-2 心のパターン:人間にとっての生命情報
7-3 発達研究とロボティクス研究のこれから
第3部 意味はどのように作用するのか
第8章 ゲームキャラクターの人工知能:記号と哲学[三宅陽一郎](デジタルゲームAI)
8-1 序論
8-2 ゲーム世界をめぐる「記号」
8-3 行動とインフォメーション・フロー
8-4 環世界
8-5 他者と「記号」の創発
8-6 世界からのエンハンスメント
8-7 キャラクターAIの階層化
8-8 シミュレーションによる「記号」生成
8-9 認識のダイナミクス
8-10 意思決定の諸相
8-11 身体運動の諸相
8-12 まとめ
第9章 英語教育、記号創発ロボティクス、ネオ・サイバネティクス[山中司](応用言語学、言語哲学、言語コミュニケーション論)
9-1 はじめに
9-2 AIと言語学習者
9-3 デイヴィッドソンの問題意識とプラグマティズム
9-4 記号創発システム論と英語教育
9-5 ネオ・サイバネティクスと英語教育
9-6 おわりに
第10章 コミュニケーションのデザイン:デジタル情報に意味を見出す観察者[椋本輔](ネオ・サイバネティクス、記号論、情報デザイン)
10-1 「意味のやり取り」としての「コミュニケーション」
10-2 「脱-しるし化」としてのデザイン
10-3 コミュニケーションのデザインについて考えるための「視点」
10-4 「しるし」について考える:記号をめぐる議論の諸相
10-5 「人間中心のデザイン」のためのネオ・サイバネティクス
10-6 純粋に人工的な「物ならぬモノ」:デジタル情報と「観察者」
10-7 おわりに:我々自身とデジタル情報技術のよりよい関係のために
第11章 ロボットと人との共存:あとがきに代えて[谷口忠大](創発システム、人工知能、ロボティクス)[井上明人](ゲーム研究)
11-1 「基礎情報学」と「記号創発システム」の相互浸透
11-2 「意味」をめぐる概念たち
索引
編者・執筆者