出版書誌データベース

まえがき

序　章　因果的超越の果てしなき後退
　1　因果的決定論の生成
　2　因果的超越という暗黒
　3　因果概念の亀裂
　4　人格知識との融合
　5　制度的実在への道

第一章　ヒュームの残響
　1　ヒューム因果論の謎
　2　自己消去への暗転
　3　奇蹟の証言
　4　確率概念からの反問
　5　確率概念の区別
　6　法則の偶然性
　7　奇蹟論からの陰り返し
　8　不確実性と非決定性

第二章　因果の知覚――残響のハルモニア考
　1　因果はどのように知覚されるか
　2　観察の理論負荷性
　3　因果性と理論負荷性
　4　因果性への問いから理論への問いへ
　5　アブダクション
　6　データと理論
　7　操作主義
　8　操作主義への疑問
　9　決定する行為
　10　作品としての因果

第三章　逆向き因果――残響のメロディ分析
　1　因果の時間的向き
　2　原因が結果の後に来る
　3　論理的に矛盾するか
　4　踏み倒し実験
　5　ランダム性と固定性
　6　過剰返済実験
　7　因果的ループ
　8　過去は操作できないか
　9　原因の探究
　10　過去を変える
　11　探究の行為
　12　過去からの連続性

第四章　確率的因果――残響のリズム論究
　1　必然性の偽装
　2　規則性のパラドックス
　3　結果の確率を高める
　4　何が本当の課題なのか
　5　確率概念の解釈
　6　タイプかトークンか
　7　ローゼンのパズル
　8　カートライトの事例
　9　負連関と負原因
　10　因果の偶然的本性
　11　確率的因果の含意
　12　プロバブルな瞬間

註
あとがき
文献表
事項索引
人名索引

著：一ノ瀬　正樹
一ノ瀬　正樹（いちのせ　まさき）　東京大学名誉教授、武蔵野大学教授、オックスフォード大学名誉フェロー。著書に『原因と理由の迷宮：「なぜならば」の哲学』（勁草書房、2006年）、『いのちとリスクの哲学：病災害の世界をしなやかに生き抜くために』（MYU、2021年）など多数。