物語・日記文学の面白さを新たに照らす、珠玉の一冊。
古今変わらぬ人間の感性に注目し、言葉を紡ぎあげた清少納言は、『枕草子』の中に何を表現したのか。
華やかさや儚さを持ち合わせた『源氏物語』の裏に紫式部が描きたかった人の世とは。
平成13年から26年に至る14年間に発表した、既刊研究書に未収録の、文章表現への探究が生んだ論文を集成。
【京極派が好きで研究ははじめましたものの、『源氏』も好き、『枕』も好き、それに連なる女流日記から、更に漢文日記へと、とにかく考えた事を書くのが楽しく、または機会とテーマを与えられて、思ってもいなかった所から新たな発見をするのが楽しく、女子学習院高等科時代、久松潜一先生に提出した幼い永福門院論以来七十年、悲しい、苦しい場合にも、常に文学とその研究に支えられて生きてまいりました。つくづく、ありがたいと思っております。……「はじめに」より】