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柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の、藤原為家です。
膨大に記憶した古歌を巧みに活用し、
伝統を踏まえながらも新しさを求め腐心した
その歌は、後代歌人に模倣され尽くした。
俊成・定家と父祖の跡を継ぎ、
三代にわたり勅撰集の撰者となった歌人。
藤原為家(ふじわらためいえ)
定家の嫡男として生まれ、歌の家の継承を宿命として背負った歌人。若き日は蹴鞠(けまり)に熱中したスポーツマン。長じて後嵯峨院時代を代表する歌人となり、勅撰集『続後撰集(しょくごせんしゅう)』『続古今集(しょくこきんしゅう)』の撰者となった。その歌風は前代の華麗な新古今風とは行き方を異にし、平淡でなだらかな詞続きによる表現を志向する。俊成・定家の跡を継いだ御子左家(みこひだりけ)の歌道を、広く中世和歌の全体に架橋した功績は大きい。従来閑却(かんきゃく)されてきた為家の歌と伝に初めて光をあて、文学史上の位置を解き明かす。