うたの森に、ようこそ。
柿本人麻呂から寺山修司、塚本邦雄まで、日本の代表的歌人の秀歌そのものを、堪能できるように編んだ、初めてのアンソロジー、全六〇冊。「コレクション日本歌人選」の第2回配本、柿本人麻呂です。
人麻呂は、古代的呪術の世界から覚醒していた歌人だ、と私は考えているーー佐佐木幸綱
柿本人麻呂(かきのもとのひとまろ)
七世紀末、持統天皇の時代を中心に活躍した万葉集を代表する宮廷歌人。天皇の行幸を賛美したり、皇子(みこ)皇女(ひめみこ)の死を悼む挽歌を詠作するなど、律令制が確立していく過程での集団の感情を、大地に根ざした古代性と近代的理性とを合わせ持つ感性によってスケール大きくうたいあげる。また、妻との生別・死別なども作品化することで、個人的な抒情にも卓越した技量を示す。その名を冠する人麻呂歌集も和歌確立期の種々の様相をうかがわせ興味深い。後世、山部赤人(やまべのあかひと)と並ぶ歌聖として崇(あが)められ、伝説的歌人となった。