第一部 翁と媼の源氏物語
1 媼の鬼◇隠された女系の世界
はじめに—媼のイメージ/『源氏物語』—老醜の媼/早逝の祖母たち/尼君—若菜上巻/小野の大尼君—手習巻/〈媼の鬼〉との関わり/立山の布橋大潅頂と白山信仰/小野の世界/終わりに—媼の復権
2 翁の思想◇流れこむ伝承・伝説
明石入道の夢—消える父/藤原山蔭と明石一族の物語/翁の思想/山蔭中納言伝説と明石の物語/住吉信仰と明石入道/明石入道をめぐる海の神話/終わりに
3 〈山の神〉を生きる◇明石君
母としての明石君/初音巻—松の根/胞衣をめぐる考察/セクシュアルな女/聖なる女/〈水の女〉から〈山の女〉への転換/大井の山荘—母尼君のふるさと/二条東院の世界
4 六条院◇隠蔽された正妻
六条院—婿取り婚のない世界/紫の上の悩み/紫の上—消えた邸宅/紫の上—消えた裳儀式/紫の上の生/明石君の結婚/光源氏と明石君の関係/物語の終わりに—女系・最後の光芒
第二部 神ならぬ人の物語
1 反復する物語
物語の始源の型/反復する物語/消えてゆくタブー
2 柏木の物語◇神ならぬ人のドラマとして
新しい主人公像/原型/タブーへの挑戦/柏木の密通/垣間見—二重写しの仕組み/柏木の言説/密通に至るまでの柏木の言葉/密通のシーン/崩壊する光源氏の世界/試楽の夜—光源氏と柏木の対面/柏木の死
3 薫と大君の物語◇タブーのない世界で
始めに—タブーのない恋/〈不可能の恋〉の成立—〈死〉の世界
Ⅰ 薫の求めた世界
Ⅱ 大君、モノローグの世界で
Ⅲ 薫の物語—大君の死の世界から
あとがき