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アメリカ教育改革の変遷と最新情勢・課題を浮き彫りにする待望の書！

アメリカでは、学力向上と格差是正を目指し、教育成果に対して厳しいアカウンタビリティを求める改革が推進されてきた。本書は、1960年代以降の連邦教育政策の歴史的展開をふまえ、近年のテスト政策、教員政策、トップダウン型の改革への対抗の動きをはじめとする教育改革に焦点を当て、その動向を明らかにする。また、アメリカにおける教育改革の意義や課題の解明を通じて、類似の改革が見られる日本の教育を考察するうえで必須の知見を提供する。

序　章　アメリカの教育改革と本書の目的（大桃敏行・吉良 直）

第Ⅰ部　1960年代からの連邦教育政策の展開
概　要（吉良直）
第1章　インプット重視の平等保障策―1965年初等中等教育法制定から1988年改定まで―（大桃敏行）
第2章　アウトカム重視への政策転換―1989年教育サミットから2002年NCLB法制定まで―（吉良 直）
第3章　「頂点への競争」の展開―ブッシュ政権の遺産とオバマ政権の教育政策―（篠原岳司）

第Ⅱ部　NCLB法制定以後のテスト政策
概　要（黒田友紀）
第4章　全米のテスト政策の概要とマサチューセッツ州におけるテスト政策の展開―スタンダード、テスト、学力不振校の改善をめぐる問題―（黒田友紀）
第5章　テネシー州におけるテスト政策の展開―競争的資金の獲得と教育政策の受容―（長嶺宏作）
第6章　ワシントン州におけるテスト政策の展開―高校卒業段階に着目して―（杉浦慶子）
第7章　カリフォルニア州におけるテスト政策の展開―英語能力が十分でない子どもに焦点を当てて―（齋藤 桂）

第Ⅲ部　NCLB法制定以後の連邦教員政策
概　要（高橋 哲）
第8章　NCLB法制下の連邦教育政策と教員の身分保障問題（高橋 哲）
第9章　教員養成プログラムに対するアカウンタビリティの制度的構造（佐藤 仁）
第10章　NCLB法以降の学校管理職養成・評価システムの変容（柴田聡史）
第11章　教職の専門的自律性を追求する改革の行方―「NBPTS」資格証明をめぐる教員政策の実態―（飯窪真也）

第Ⅳ部　NCLB法を問い直す草の根の教育改革
概　要（後藤武俊）
第12章　中間組織による草の根の教育改革支援―ニューヨーク市のスモール・スクール運動を事例に―（後藤武俊）
第13章　州テスト政策に対抗する草の根の教育評価改革―NewYork Performance Standards Consortium を事例に―（遠藤貴広）
第14章　教室の内側からの評価改革―「学習のための評価」論とネブラスカ州の評価システムに焦点を当てて―（石井英真）
終　章　アメリカ教育改革の「総括」―日本が教訓とすべきこと―（北野秋男）

あとがき（北野秋男）

事項索引
人名索引

執筆者略歴

編：北野　秋男
北野秋男　　日本大学文理学部教授。日本大学大学院文学研究科博士課程満期退学。博士（教育学）。専攻：アメリカ教育史・思想史。主要著作：『現代アメリカの教育アセスメント行政の展開―マサチューセッツ州（MCASテスト）を中心に―』（編著）東信堂、2009年／『日米のテスト戦略―ハイステイクス・テスト導入の経緯と実態―』風間書房、2011年

編：吉良　直
吉良 直　　日本教育大学院大学学校教育研究科教授。ハーバード大学教育大学院博士課程修了。Ed.D. 専攻：国際教育学。主要著作：「NCLB法の制定背景、特殊性、現状と課題」北野秋男編著『現代アメリカの教育アセスメント行政の展開―マサチューセッツ州（MCASテスト）を中心に―』東信堂、2009年／“A Comparative Study of GTA Development in Japan and the U.S.,” Studies in Graduate and Professional Student Development, Vol.14, 2012

編：大桃　敏行
大桃敏行　　東京大学大学院教育学研究科教授。東北大学大学院教育学研究科博士後期課程単位修得退学。博士（教育学）。専攻：教育行政学、教育政策研究。主要著作：『教育行政の専門化と参加・選択の自由―19世紀後半米国連邦段階における教育改革論議―』風間書房、2000年／『リーディングス日本の教育と社会 第11巻 学校改革』（共編著）日本図書センター、2010年