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アレンジを中心に合唱界で作品が多く愛される源田俊一郎による二部合唱のためのソング集。1990～1992年にかけて「こどもとおとなの童謡集」として全33曲が制作され、2011年～2024年の間に改訂された作品の中から5曲が、2024年10月19日（駒ヶ根市文化会館 大ホール）混声合唱団明日歌 第40回定期演奏会（指揮：唐沢史比古／ピアノ：松島さおり）にて、この楽譜の刊行に合わせて初演された。源田俊一郎は小野興二郎の甥であり、共同制作によってこの作品群が生まれた。この作品のテーマは“大人の童心を呼び覚ます”というもの。合唱団をはじめ、お客様にも耳馴染みよく、素直に楽しんでもらえる工夫が詰まったソングが集まっている。初演は混声合唱による演奏であったが、童声合唱や女声合唱、男声合唱をはじめ独唱や二重唱でも演奏できる。編成を問わないため、世代や地域の垣根を越えて、歌う楽しみを分かち合える童謡集。抜粋での演奏も大いに期待できる。

[曲目]
・わたしの庭　(2:20)
・かみかざり～なぜかわいいの　(4:00)
・忘れてごめん　(2:00)
・心いたみ　(3:50)
・狸と狐の物語　(3:10)

著：小野 興二郎
昭和期から平成期の歌人。歌誌「泰山木」主宰。愛媛県上浮穴郡面河村（現・久万高原町）の、豊かではない神官の家に生まれる。松山市の「潮音」系短歌結社「にぎたづ」に参加。その後上京し、明治大学文学部に入学するが、結核にかかり帰郷して肺葉切除を受ける。1957年、北原白秋の流れを汲む、木俣修の歌誌「形成」に参加する。大学卒業後、市川学園（千葉県）の国語科教諭となる。1981年に肝生検のショックで入院し、視力障害を患う。以後、入退院を繰り返しながら、歌作を続ける。その作品は、人間存在の根源について鋭く問いかけるものであり、その美しい文語体の歌は多く人々の共感を得た。作曲家の源田俊一郎は甥であり、小野の詩に曲をつけている。

作曲：源田 俊一郎
作曲家。1957年東京生まれ。多くの合唱祭、音楽祭、講習会の講師をつとめた経験を生かし、新しい時代に向けた合唱活動の在り方を模索している。現在明星大学非常勤講師。趣味は料理、ガーデニングなど。編曲作品では、「ふるさとの四季」「いつの日か」「ホームソングメドレー」。「みゆき歌女の愛と生涯」などがあり、作曲作品では、混声合唱とピアノのための組曲「みどりの風に」。男声合唱組曲「涙について」。女声合唱のための昭和ノスタルジー「花びらあそび」。女声合唱とピアノのための「風のカンタービレ」など。どの作品も日本語の美しさを大切にした味わい深い楽曲となっている。