本書は、医師の笠井史人と音楽療法士の小島寿子によるリハビリテーションと音楽療法の基礎知識の入門書である。笠井は大学病院のリハビリテーション科に勤務し、医学と音楽療法の共同を模索しており、小島はセッションを行いながら脳卒中後遺症者、認知病患者等の音楽療法の効果の研究を続けている。
前半は、リハビリテーションの技法、評価法、人間の身体や脳のしくみなど、音楽療法士が知っておくべきリハビリテーションの基礎知識について、後半は音楽療法士が行っているアプローチ法を統合かつ応用し、疾患別・障害別に対応するアプローチとして紹介している。音楽療法士に医学の知識が足りないために医療現場のチームに加われないケースが多々あるのが現状であるが、本書により音楽療法士がリハビリテーションの医学の基本的な知識を身につけ、他職種がリハビリにおける音楽療法の可能性を知ることで、双方の共同の場が広がることを願っている。