小池真理子氏と川上弘美氏を選者に迎えた、女性作家の名随筆アンソロジー第六巻。第五巻と同日発売。われわれが持つ「宇野千代」のイメージは「私何だか死なないような気がするんですよ」と色紙に書く、晩年の不死身な様子であるが、実は、同時代の大文学者・谷崎潤一郎や小林秀雄をこよなく尊敬し、生涯小説修業に励んだ一途な作家であった。尾崎士郎、東郷青児、北原武夫らとの情熱的な恋愛も見逃せないし、戦後売れに売れた「スタイル」編集長としての顔もある。この一冊で「宇野千代」の軌跡を辿ることができる。初の芥川賞女性選考委員(1987~1997年)・大庭みな子は詩情あふれる文章で、生き生きとした女と男の関係の回復を訴え続けた。その原始的ともいえる性の讃歌は、原爆投下後の広島で、死体を運び出す役割をした女学生の頃の、人間と世界に対する絶望から始まっていた。選者による巻頭エッセイと、研究者による解説、略年譜付き。