出版書誌データベース

われわれが求める「自然」とはなにか。理想的な自然環境をめぐって、開発と保全のバランスがつねに問われる地域づくりの現場にたつ一人の研究者からのメッセージ。人間と自然の新たな共存の理念と方法をランドスケープ・エコロジー（地域生態学）の視点からときおこす。

はじめに
第１章　自然の豊かさをどう捉えるか
１　対極にある自然をみる
２　気候風土で異なる環境
３　多様性の違いがもたらすもの
４　日本の自然の豊かさをいかす
第２章　自然再生のキーワードを読む
１　自然再生とはなにか
２　攪乱を捉える生態学
３　ビオトープの考え方
４　生物多様性をどう確保するか
第３章　環境創造による人間と自然の共存
１　人間と自然の新時代
２　環境創造の理念と方法
３　エコロジーとアメニティの調和
４　ランドスケープからの発想
第４章　エコロジカルな地域づくり
１　持続可能な環境開発を求めて
２　地球環境時代の地域づくり
３　二次自然と都市・農村交流
４　自然をいかした新都市開発
第５章　自然をいかした環境づくり
１　地学的自然の読み方
２　二次林の管理と自然の活用
３　自然を再生する公園づくり
補　章　社会と歩んだ『環境創造の思想』
おわりに
増補版おわりに
初出誌一覧

著：武内　和彦
東京大学未来ビジョン研究センター特任教授、地球環境戦略研究機関理事長

［著者略歴］
一九五一年　和歌山市生まれ、一九七四年　東京大学理学部卒業、一九七六年　同大学院農学系研究科修士課程　修了、一九九五年　東京大学大学院農学生命科学研究科教授、二〇一三年　国連大学上級副学長兼務、現在　東京大学未来ビジョン研究センター特任教授、地球環境戦略研究機関理事長

［主要著書］
『丘陵地の自然環境』（共編著、一九九〇年、古今書院）、『地域の生態学』（一九九一年、朝倉書店）、『環境創造の思想』（一九九四年、東京大学出版会）、『里山の環境学』（共編著、二〇〇一年、東京大学出版会）、『環境時代の構想』（二〇〇三年、東京大学出版会）、『ランドスケープエコロジー』（二〇〇六年、朝倉書店）、『地球持続学のすすめ』（二〇〇七年、岩波書店）、『世界農業遺産』（二〇一三年、祥伝社）、『日本の自然環境政策』（共編著、二〇一四年、東京大学出版会）、『人と自然の環境学』（共編著、二〇一九年、東京大学出版会）ほか多数