鵜と人間
日本と中国、北マケドニアの鵜飼をめぐる鳥類民俗学
著:卯田 宗平
内容紹介
人間は鵜とどのようにかかわっているのか――。ひとつの問いを出発点に、日本、中国、そして東欧に位置する北マケドニアの鵜飼い漁を取りあげ、その技術や知識、ウミウやカワウの生態や行動、食文化の調査を通して、より普遍的な視点から、「飼い慣らしすぎない」という動物利用の論理やドメスティケーションの生起をめぐる新たな解釈枠組みを導きだす。人類学や民俗学、鳥類学を横断し、鳥と人とのインタラクションを新たに読み解く。
目次
まえがき――なぜ生殖に介入しないのか
序 章 いま、なぜ鵜飼なのか
第一章 鵜飼研究の到達点――何がどこまでわかっているのか
第二章 なぜ鵜飼が誕生したのか
――野生種を飼い慣らす技術から考える鵜飼誕生の条件
第三章 前例なきウミウの産卵と鵜匠による手さぐりの応答
――宇治川の鵜飼における二〇一四年のできごとから
第四章 ウミウの繁殖生態の変化と「技術の収斂化」
――宇治川における四年間の繁殖作業を手がかりに
第五章 野生性と扱いやすさのリバランス論
――育てたウミウの個性と鵜匠による介入の強弱
第六章 日本の鵜匠がウミウの生殖に介入しない理由
――ウミウ産卵の要因をめぐる地域間比較研究
第七章 なぜ中国の漁師はカワウを繁殖させるのか
――中国雲南省大理ぺー族自治州の洱海における繁殖技術と生殖介入の動機から
第八章 鵜飼が生業として成りたつ条件
――北マケドニア共和国ドイラン湖におけるマンドゥラ漁の事例から
終 章 鵜と人間、かかわりの原理
あとがき――一点突破
ISBN:9784130563130
。出版社:東京大学出版会
。判型:A5
。ページ数:484ページ
。定価:11500円(本体)
。発行年月日:2022年01月
。発売日:2022年01月11日
。国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBCC。