第I巻第6章のまとめ――新たな「自己」の出現
II 社会に踏み出すペルソナとしての自己
第7章 変貌する「他者との関係」
1.ライバルとしての他児
(1)仲間関係
①2ヶ月年少のマナブ君
②4ヶ月年長のノリ君
③公園で出会う年長児
(2)世の中の理不尽を体験する
2.自己の多重化
(1)他者の視座理解
①他者の視座の振る舞いとしての理解
②他者の視座の表象的理解
③他者からの「見え」を理解する難しさ
(2)聾児ケイトの自称詞獲得と自己の多重化
①聾児ケイトの人称代名詞の獲得過程
②ケイトの手話から見えてくる「自己の多重化」
3.他者に成り込む自己,他者に教える自己
(1)他者に成り込む自己(自己の多重化)
(2)他者に教えること・モデリングすること
①積極的に教える(active teaching)
②相手に必要な操作スキルをモデリングで教える
〈まとめ〉
第8章 一人のペルソナ(役割存在)の出現
1.内面を持つ存在へ
(1)「トイ(一人)」と語る主体の出現
①「トイ(ヒトイ)」発話の多語化
②過去・現在・未来をつなぐ「トイ(一人)」である主体
(2)心的状態を示すことば
①「好き」ということばの出現(1歳10ヵ月代)
②「嫌い」ということばの出現(1歳11ヵ月代)
③「好き」と「嫌い」が生み出す心的世界(1歳11ヵ月代)
④Uの「テューチャン(Uちゃん)」と人形の「ボク」
(3)同情・共感
①医者のまねをして治療(役割遊びの誕生)
②自分の痛みや他者の痛みの理解
2.役割イメージと物語
(1)お話の理解と産出
(2)象徴能力とふりの展開(ストーリーがある)
(3)自分の身体の一部を人格的存在にする
3.役割存在「ニイタン」としての自覚
(1)「赤ちゃん」や「兄たん」の概念
(2)「赤ちゃん」概念に新たな意味内容(内包)が生まれる
(3)「兄たん」概念に新たな意味内容(内包)が生まれる
(4)「兄たん(ニイタン)」の自覚
〈まとめ〉
第9章 過去の出来事と記憶と自己
1.時間の概念(過去・現在・未来)
(1)まえ・さっき・きのう(過去)
①まえ(マエ)
②さっき(カッキ・タッキ)
③きのう(キノウ・キンノ)
(2)いま(現在)
(3)きょう(現在)
①「現在」タイプの「今日」
②「過去」タイプの「今日」
③「未来」タイプの「今日」
④時間に対する微分的意識=「今」という意識の誕生
(4)あと・こんど・あした(未来)
①あと(アト)
②こんど(コンド)
③あした(アシタ)
2.エピソード記憶と自己識的意識
(1)エピソード記憶に関するここまでの議論
(2)生後2年目にエピソード記は存在するのか
①1歳11ヵ月代の発話に見る時間意識
②過去体験の想起
③エピソード記憶の芽生えの兆候(原〈エピソード記憶〉)
(3)原〈エピソード記憶〉とさまざまな記憶事象
①原〈エピソード記憶〉と「手続き的記憶」
②原〈エピソード記憶〉と「延長意識」の発達
③原〈エピソード記憶〉と「出来事との対連合的な記憶」
④原〈エピソード記憶〉と「共同想起」
(4)原〈エピソード記憶〉とエピソード記憶
①原〈エピソード記憶〉と呼べるのは
②原〈エピソード記憶〉とエピソード記憶との相違点
〈まとめ〉
第10章 原〈私〉の出現から〈私〉の誕生へ
1.「〈私〉の誕生」という問いの意味
(1)一人称を用いる存在としての〈私〉
(2)「ペルソナ」とは何か
(3)「ペルソナ」という概念が覆い隠してしまうもの
2.原〈私〉の誕生
(1)時の変化を感じる原〈私〉(時制のルーツ)
(2)自己と他者とを結ぶ原〈私〉(人称のルーツ)
①人称の累進構造のルーツとしてのパントマイム
②原〈私〉は名指されることも,名乗ることもない
3.原〈私〉から〈私〉の誕生へ
(1)「ボク」は人形の一人称なのか
①1歳11ヵ月代の「ボク」は人形の一人称なのか
②「ボク」は第〇次内包,第一次内包
③Uが人形操作に用いた「ボク」
(2)「テューチャン(Uちゃん)」が一人称になるとき
4.戯れ始めるシニフィアン(signifiant)
(1)指示対象とシニフィアン(signifiant)との新たな関係
①「これ何おうどんねー?」と細目を開く
②ブタは「ブーブー」,ではトータンはなんと言って鳴くのか
(2)人形や自分を父親に見立てる(他者のふりをする)
①スヌーピーを父親にする
②自分が父親であると宣言する
(3)「FはFでなく,UはUではない」と主張する
①Uは「トータン」,Fは「Uちゃん」
②「Fはトータンと違う,おじさん」
5.〈私〉の誕生
(1)「Uチャン」の第〇次内包とは何か
①本書の問いとその答えの先取り
②「私」の第一次内包と第〇次内包
③「Uチャン」の第〇次内包の獲得
(2)エピローグ:一人称としての〈私〉の現れ
①「Uちゃん何見てるの?」とブタに問う
②「ネコは何してる?」「Uちゃん見てる」と言う
〈まとめ〉
おわりに――現れたものと闇に消えたもの
The Emergence of ‟I”, the Miracle in the Second Year of Life, II:
Self as One's Own Persona in the Social World
Takeshi ASAO