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中公文庫 か54-2

中空構造日本の深層

増補新版

著:河合隼雄

紙版

内容紹介

空を中心とするとき、統合するものを決定すべき、決定的な戦いを避けることができる。それは対立するものの共存を許すモデルである――日本人の心理を、中空を保って均衡し合う構造とし、西欧の中心へと統合する心理構造との対比で論じる。関連論考「日本神話の中空構造」、吉田敦彦との対談「神話と日本人」を増補。〈解説〉吉田敦彦/河合俊雄

(目次より)

神話的知の復権
『古事記』神話における中空構造
中空構造日本の危機

昔話の心理学的研究
民話と幻想
「うさぎ穴」の意味するもの
日本昔話の心理学的解明

現代青年の感性
象徴としての近親相姦
家庭教育の現代的意義
偽英雄を生み出した「神話」
フィリピン人の母性原理

あとがき
旧版解説(吉田敦彦)

  *
日本神話にみる意思決定
巻末対談「神話と日本人」河合隼雄×吉田敦彦
増補新版解説(河合俊雄)

著者略歴

著:河合隼雄
河合隼雄
一九二八(昭和三)年、兵庫県に生まれる。五二年、京都大学理学部卒業。スイスのユング研究所に留学し、六五年、ユング派精神分析医の資格を取得。京都大学教育学部教授、国際日本文化研究センター所長、文化庁長官を歴任。主な著書に『母性社会日本の病理』『昔話と日本人の心』『無意識の構造』などのほか、『河合隼雄著作集』(全十四巻)がある。二〇〇七(平成一九)年、死去。

ISBN:9784122075276
出版社:中央公論新社
判型:文庫
ページ数:320ページ
定価:1200円(本体)
発売予定日:2024年06月19日