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ブルーバックス

脳からみた認知症

不安を取り除き、介護の負担を軽くする

著:伊古田 俊夫

紙版

内容紹介

ある日突然、ネクタイが結べなくなる。妻の顔がわからなくなる。そのとき脳で、何が起こっているのか? 5歳刻みで発症率が倍増する。予防のカギは、40代からの生活習慣が握っている――。専門医が語る「認知症のすべて」(ブルーバックス・2012年10月刊)


ある日突然、ネクタイが結べなくなる。
妻の顔がわからなくなる。
そのとき脳で、何が起こっているのか?

5歳刻みで発症率が倍増する。
予防のカギは、40代からの生活習慣が握っている――。

専門医が語る「認知症のすべて」


それが、病気の始まりだった。

――夫にゴミ捨てを頼むと、そのまま帰って来ない。どうしたのかと思って外に出てみると、ゴミ袋をもったまま玄関の前でボーッと立っていた。
――車に乗る際に、車の前でぼんやり立っている。ドアがどこにあるのかわからない感じであった。
――自動販売機のコイン投入口に、上手にお金を入れられない。プッシュフォンも使えなくなった。
――視線がそっぽを向いている。どこか別の世界をみているようだ。
――通い慣れているはずの近所の公園に行くのでさえ迷ってしまう。犬の散歩もしてもらえなくなった。


〈どんな病気で、どう進行するのか?〉

・物忘れや幻覚、妄想や徘徊はなぜ起こるか?

・「自分」がわからなくなるのはなぜか?

・本能が乱れ、理性が曇り、介護者に手を焼かせるのはどうしてか?

患者数が300万人を超え、80代の5人に1人が認知症を患う時代――。
若年性アルツハイマー病に苦しむ子供を、老親が看取るケースも出てきた。

「不治の病」や「避けられない老化現象」ではなく、
「早期発見して治すことが可能」な「脳の病気」としてとらえ直す。


【著者紹介】
伊古田俊夫(いこた・としお)

一九四九年、埼玉県生まれ。
七五年に北海道大学医学部卒業後、同大脳神経外科、国立循環器病センター脳神経外科を経て、八四年に勤医協中央病院脳神経外科科長、二〇〇一年に同院院長に就任。二〇〇八年から同名誉院長。
二〇〇七年、札幌市若年性認知症支援事業推進委員長、二〇〇九年、北海道認知症地域支援体制構築事業コーデイネーター、二〇一〇年、札幌市認知症支援事業推進委員長。
日本脳神経外科学会専門医、認知症サポート医。
認知症の地域支援体制づくりに取り組むかたわら、社会脳科学の立場から認知症の臨床研究を進めている。

目次

第1章 そのとき、脳はどうなっているのか?
第2章 認知症とはどういう病気か
第3章 忘れる記憶、忘れない記憶
第4章 乱れる本能、曇る理性、変容する気分
第5章 「私」とは何者か? 見当識障害と脳機能
第6章 幻覚や妄想、徘徊や興奮はなぜ起きるか?
第7章 軽度認知症を見逃すな!――年間一〇%の軽症者が重症化していく
第8章 患者の日常と向き合う――治療とリハビリテーション、日々の暮らし
第9章 認知症の人とともに暮らす時代――「認知症サポート医」になって

ISBN:9784062577908
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:254ページ
定価:900円(本体)
発行年月日:2012年10月
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:VFD
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:MJ