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講談社現代新書

新書ヨーロッパ史 中世篇

編:堀越 孝一

紙版

内容紹介

<中世>とは何か?
政治と宗教、都市と国家、歴史と文明……
「対立と連帯」のヨーロッパ史を読み直す

中世人の眼を通して――1991年の「マーストリヒト協定」によって「ヨーロッパ連合」が始動した。おもしろいことに、マーストリヒトのすぐ北のマース左岸にメールセンという小さな町がある。870年、この町で、「フランク王国」の分解を決定づける協定が結ばれた。(中略)以後、ヨーロッパは「個別国家」の集合体としての歴史を歩み、一千年を経て、いまふたたび「フランク王国」へ回帰しようとしているという理解がある。(中略)もちろん「メールセン協定」によって成立したとされる「西フランク王国」がそのまま「フランス王国」に、ましてや「東フランク王国」が「ドイツ王国」に接続したわけではなく、そういう説明の仕方はたぶんに大づかみにものをいってのことだが、しかし、その大づかみのものをいう、そのいわばつかみ方にやはり問題があると思う。わたしがいうのは、そこにいう「個別国家」というのは、ほぼ16世紀のころから形を整え始める「近代国家」を念頭に置いているのではないか。――(本書より)

目次

概説「ヨーロッパ」の成立――堀越孝一
1………ローマ人のガリアからカール大王の王国へ
1.ローマ人のガリアの時代のパリ
2.フランク人来る
3.アーヘンの王宮
2………地域の中世史
1.領邦の形成
2.アンジュー帝国
3.三百年戦争
3………再訪のロタールの国
1.両シチリア王国を狙え
2.ブルグーン家の立場
特論1.中世ヨーロッパの生活環境――河原温
はじめに―森と石の文明から
1.中世初期の社会と生活環境
2.紀元1000年……ヨーロッパ文明の成立へ向かって
特論2.この世のあるべき秩序――甚野尚志
特論3.マイノリティーとしてのユダヤ人――関哲行
1.ユダヤ人とヨーロッパ
2.中世スペインのユダヤ人
特論4.『中世の秋』からルネサンスへ――近藤壽良

ISBN:9784061496644
出版社:講談社
判型:新書
ページ数:312ページ
定価:840円(本体)
発行年月日:2003年05月
発売日:2003年05月23日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:NHD