出版書誌データベース

「民族浄化」「一大家族」「楽土」の歌詞を、ともに声あわせうたった園歌。だれが何の目的でつくったのか。上から押しつけられただけのうただったのか。ハンセン病回復者と長年かかわりつづけてきた歌手である著者が、13あるすべての国立療養所をたずねてそのなぞを追った旅物語。「うたの力」を問いかける稀有な記録。

　はじめに――ハンセン病療養所の園歌との出会い

ハンセン病問題とは何か

全療養所でうたわれた御歌《つれづれの》

さまざまな園歌のなぞを追う

音楽の力と入所者の思い――抑圧と解放のはざまで

　おわりに――時代を超えてゆくうたとの出会い

　おもな参考文献

著：沢 知恵
沢 知恵(サワ トモエ)
1971年生まれ．歌手．1991年，東京藝術大学音楽学部楽理科在学中にデビュー．1998年，日本レコード大賞アジア音楽賞受賞．
2021年，岡山大学大学院教育学研究科修了．アルバムCD『雨ニモマケズ』『かかわらなければ～塔和子をうたう』『谷川俊太郎をうたう』『わたしが一番きれいだったとき』他．著書に『私のごすぺるくろにくる』(新教出版社)，共著に岩波ジュニア新書『世界がステージ！――国を越えて仕事するということ』他．
公式HP https：//comoesta.co.jp