はじめに
第Ⅰ部 つくられた破傷風ワクチン「謀略」事件
第1章 ロームシャ収容所の地獄絵――破傷風患者の大量発生――
1 事件の始まり――労務処理班からの緊急連絡(一九四四年八月六日)
2 日本軍の対応
3 汚染されたワクチン――ワクチン接種直後の惨事だった
4 初めてではなかった破傷風の集団発生
5 謀略事件と判定
6 労務処理班関係者の逮捕と強制された自白
7 モホタルら医学界重鎮の逮捕(一〇月七日)
第2章 スケープゴートがつくられるまで――日本軍が捏造したドラマ――
1 憲兵隊による取り調べ
2 エイクマン研究所に破傷風菌はあったのか?――モホタルに向けられた容疑
3 モホタルの“自白”からマルズキ、アリフの逮捕へ
4 モホタル、供述を変える
5 事件の顚末――モホタルとスレマン・シレガルの最期
第3章 蜘蛛の巣から逃れて――マルズキの場合――
1 マルズキの逮捕
2 獄中からの手紙――釈放へ向けて奔走
3 釈放されなかったマルズキ
4 終戦――マルズキの釈放
第4章 行われなかった真相究明
1 連合軍による取り調べ
2 戦後日本における認識
3 冤罪の主張とインドネシア政府の対応
4 なぜモホタルが狙われたのか
5 ロームシャたちのその後
第Ⅱ部 それは人体実験だったのか――七三一部隊のワクチン戦略――
第5章 七三一部隊は何をしたのか――ハルビンからバンドゥンへ――
1 軍の要請によるワクチン開発
2 ハルビンに設置された関東軍防疫給水部(七三一部隊)
3 移動防疫給水部――石井のワクチン戦略の要
4 細菌戦の展開とワクチン開発
第6章 南方軍防疫給水部は何をしたのか――そしてパスツール研究所は――
1 日本軍によるパスツール研究所接収
2 破傷風事件の“真相”
3 スラバヤ海軍軍医部の人体実験――オーストラリアの戦犯裁判記録から
終 章 医師たちの戦後
1 インドネシアの医師たちと研究所の戦後
2 七三一部隊の医師たちはなぜ戦争犯罪の追及を免れたのか
3 戦後日本の医療の闇
4 コロナ禍とワクチン開発
注
あとがき
参考文献・インタビュー対象者ほか