はじめに
第Ⅰ編 近代化遺産
第1章 「近代化遺産」の誕生
1 「近代化遺産」の誕生プロセス
(1)きっかけは『建設業界』の表紙写真
(2)「近代化遺産」の誕生
(3)「近代化遺産」の反響
2 『建設業界』は,なぜ「土木遺産」を表紙写真にしたのか
(1)起死回生の一手
(2)反響が大きかった「近代土木構築物」
3 四谷見附橋──「近代化遺産」の原点
(1)第1 回土木史研究発表会:四谷見附橋のデザイン思想
1)モチーフとしての赤坂離宮
2)橋と赤坂離宮との配置関係
(2)論文の反響
1)『建設業界』連載への誘い
2)朝日新聞の取材
3)日刊建設工業新聞での論文掲載
4)NHK「朝のニュース」
(3)土木学会「四谷見附橋調査研究委員会」の設置
1)高欄廻りの復原と橋詰空間の対称性
2)旧橋の移築:多摩ニュータウンの長池見附橋
3)委員会報告書が単行本『四谷見附橋物語』の発行へ
4 四谷見附橋問題を考える
(1)土木史研究発表会──「近代化遺産の生みの親」
(2)環境 を考える象徴としての四谷見附橋
第2章 「歴史遺産」の系譜
1 歴史環境と住民運動
2 古都保存法は2年
3 歴史的「町並み」は7年
4 土木遺産は一番長く20年
5 学識経験者による「産業遺産」
第Ⅱ編 世界遺産:産業遺産の登場と展開
第3章 「技術,Engineering,Technology」の比較分析と「Technology」の意味内容分析
1 技術,Technology,Engineering とは?
(1)「技術」
(2)Engineering
(3)Technology
2 事例にみるEngineering とTechnology の使い分け
(1)ポン・デュ・ガール(フランス)
(2)アイアンブリッジ(イギリス)
(3)ビスカヤ橋(スペイン)
(4)フォース橋(イギリス)
3 Technology の意味内容──Context for WORLD HERITAGE BRIDGES にみる
4 まとめ
第4章 世界遺産と産業遺産──「産業遺産」は,いかに世界遺産になったのか?
1 「失われた20年」──日本での世界遺産の登場
2 グローバル・ストラテジーとは?
3 日本の「文化財」概念を変えた世界遺産
(1)若返る指定年代
(2)あたらしい文化財「文化的景観」
(3)近現代建造物と「明治日本の産業革命遺産」
1)近現代建造物と稼働資産
2)「明治日本の産業革命遺産」
第5章 「産業遺産」概念の展開
1 イギリスの「産業考古学」(1967年)
2 ニージュニィ・タギール憲章(2003年):TICCIH の「産業遺産」概念と修復理念
3 ダブリン原則(2011年):ICOMOS─TICCIH の共同原則
4 ヴェニス憲章(1964年)
第6章 建築・土木・産業遺産概念の相違
1 直感的・感覚的な相違
2 原理的な相違
(1)用・強・美
(2)建造物
(3)システムとネットワーク
(4)所有者
3 保存の考え方の相違
第Ⅲ編 産業遺産の保存と利活用
第7章 海外の代表事例:美的保存と利活用の多様性
1 美的保存:ドイツ・ツォルフェライン炭鉱遺産群
(1)文化とアートを追求する保存と利活用
(2)背景
2 利活用の多様性:台湾
(1)高雄港
(2)苗栗の旧山線
1)電動トロッコ電車で楽しむ
2)背景
(3)台北「華山1914 文創園区」
第8章 産業遺産のネットワーク・システム保存と利活用
1 横須賀造船所のシステムと今に生きる現役ドック
2 三池港のシステム転換と基幹ネットワークとしての専用鉄道
3 魚梁瀬森林鉄道:森林鉄道から道路への機能転換
(1)経緯
(2)意義と価値
第9章 産業遺産保存の真正性・全体性と用・強・美──ドックの比較分析
1 はじめに
2 真正性と全体性の分析
3 ケーススタディ
(1)ドックヤードガーデン
1)略史
2)ドック(旧横浜船渠株式会社第2 号ドック)
3)リノベーションの経緯
4)ドックヤードガーデンのデザイン・コンセプト
5)保全的再利用のコンセプト
6)建設工事
(2)デンマーク海事博物館
1)略史
2)リノベーションの経緯
3)リノベートされたドック
4)海事博物館のデザイン・コンセプト
5)敷地のマスタープラン
6)建設工事
4 ドックの比較分析
(1)比較分析
(2)ドック空間の特徴と意義
1)保存されたドック空間とあらたに開発したドック背後空間
2)ドック空間を生かしたあらたな半地下空間
3)非日常的な意外性のあるドック空間
(3)ウィトルウィウスの三位一体論
5 まとめ──ドックヤードガーデン利活用の国際的先駆性
第10章 無形遺産にみる産業遺産の永遠性──草生水まつり
1 はじめに
2 柏崎市西山町
3 草生水まつり
4 草生水まつりの誕生と展開
(1)祭りのきっかけと開催に至るまで
(2)躍進期
(3)転換期から今日
5 資料分析にみる草生水まつり
(1)献上式・献上行列(=変わらぬもの)などの年度別構成人員数
(2)売店・イベント分析(=変わるもの)
1)売店分析
2)イベント分析
(ⅰ)恒例イベント
(ⅱ)継続イベント
(ⅲ)復活イベント
(ⅳ)お試しイベント
(ⅴ)その他
(3)スタッフ組織と構成人員数
1)第13回と第23回との相違分析
(ⅰ)執行班体制と構成人員数──「7 役13 人体制」から「5 役7 人体制」へ
(ⅱ)実行班体制と構成人員数──「7 部会55 人体制」から「5 部会112人体制」へ
2)第23回以降の分析
6 まとめ
(1)「地域は1 つ」をめざしたまちおこし
(2)25年で「地域の伝統」,50年で「地域の文化」
(3)情報収集とチエで獲得した国補助金
(4)2つの明確なコンセプト
(5)組織体制や人員構成の柔軟性
7 類似事例との比較
(1)群馬県の絹遺産の祭り
(2)生野銀山の祭り
1)銀谷まつり
2)鉱山と道の芸術祭
8 考察と今後の課題
(1)さらなる調査
(2)草生水まつりの今後の展開は?
1)採油式の会場整備
2)市の文化財から県の文化財へ──将来的には国指定の文化財?
(3)関連調査
(4)あらゆるモノは永遠性を追求できる
(5)無形遺産をふくむ産業遺産の豊潤化
第Ⅳ編 世界遺産・産業遺産のあたらしい動向
第11章 20世紀遺産
1 20世紀遺産
2 「日本の20世紀遺産20選」
第12章 Reconstruction(再建と復元)
1 国際イコモスのReconstruction(再建?)
2 日本のReconstruction(復元)
(1)佐渡鉱山の場合
(2)東京駅前常盤橋プロジェクトに関連して
1)船着場計画
2)震災復興橋梁常盤橋の保存
3)常盤見附の敷地範囲の明示
4)区道の公園化ないしは歩行者天国
(3)藤原京と平城京では
第13章 ギーク遺産
1 はじめに:発想の原点
2 「ギーク」──提案理由と意味
3 ギーク遺産から重要文化財・世界遺産へ:過去の事例から
(1)歴史的町並み
(2)産業土木遺産
(3)日本遺産:「鉱山と道の芸術祭」