序章 「NHKvs朝日」問題の再検討がなぜ必要なのか
なぜ組織ジャーナリズムを問うのか
なぜNHKと朝日新聞なのか
「NHKvs朝日」問題の再検証がなぜ必要なのか
この本を読んでくださる方へ
第1章 政治介入と「番組改変」の真実――2001年1月,何が起こったのか
1 女性国際戦犯法廷開催と番組の制作
企画から編集までのプロセス
ドキュメンタリージャパンがロケ開始
NHK内部で亀裂が表面化
ついにDJが編集から離脱
2 番組制作の修羅場
予算説明と番組制作
26日,前代未聞の試写
右翼の乱入,不吉な予感
3 暗転――放送前日,1月29日
一転,幹部が前言を翻す
制作現場とNHK経営の決裂
改変の具体的指示
4 「政治介入」の現場
NHK幹部,安倍氏ら政治家と面談
放送当日の惨劇――闇のなかの海老沢会長と伊東局長の密談
現場の最後の諫め
第2章 腰砕けになった朝日新聞――なぜひるんだのか
1 激突から朝日の「敗北」へ?
何が起こり,どうなったのか
発端の記事とNHKの内部告発
両者譲らず,非難の応酬
トーンダウンから謝罪へ
2 ひるんだ理由・「左翼偏向」攻撃
政治家,メディアによる「朝日はアカ」の大合唱
社会の「右傾化」と朝日の「孤立化」
「白虹事件」の影?
少数意見尊重はジャーナリズムの原点
3 ひるんだ理由・録音テープ
「録音の有無」を逆手に取ったNHK
「辰濃記者事件」のトラウマ
「沖縄密約事件」の影にもおびえた?
4 ひるんだ理由・取材資料流出事件
『月刊現代』の魚住論文
「松尾証言」の核心部分
中川,安倍両氏のウソを暴く
対応のおかしさ,あらためて浮き彫りに
5 不可解な第三者委員会への諮問
なぜ,朝日新聞側だけが……
結論の報じ方も不可解だった!
どうすればよかったのか
第3章 他メディアはどう報じたか
1 政治家の主張に同調したテレビ,雑誌
お寒い日本のメディア状況が浮き彫りに
安倍氏の「フジテレビ介入事件」も
2 新聞は例によって「2極分化」
読売,産経は「戦犯法廷を取り上げたこと自体が誤り」と
読売新聞主筆の驚くべき論評
不可解な毎日新聞の社説
「世界の注目,日本の沈黙」
3 核心を衝いた高裁判決
内部告発で審理をやり直す
「政治家の意図を過剰に忖度して」
高裁判決に対する報道にもさまざまな「歪み」
報道の自由と取材される側の「期待権」
第4章 ここまで来ていた組織の劣化
1 朝日新聞の場合
新聞社にあるまじき「武富士事件」
箱島社長の「普通の会社」宣言と社内言論の封殺
「厳罰主義」と不祥事続発の悪循環
遡れば「サンゴ事件」「花田事件」
「秋山体制」への期待と懸念
2 NHKの場合
組織劣化の原点と拡大化路線
労働組合の劣化
組織に問われる忠誠とは何か
海老沢会長なき後の海老沢体制
第5章 迷走する放送改革・進まない新聞改革
1 迷走するNHK改革――公共放送論議の欠如
泥縄の「NHK新生プラン」と「新経営計画」
NHK改革案の乱立
放送法改正と言論・表現の自由
受信料支払い義務化,値下げと次期経営五年計画
地デジ強行と格差問題――貧乏人はテレビを見るな?
2 深刻な危機のなか進まない新聞改革
朝日・読売・日経の「3社連合」って何?
販売拡張競争の闇
新聞は,「破綻したビジネスモデル」か?
記者クラブからの離脱はできるか
テレビ局の系列化はやめるべき
第6章 政治権力と組織ジャーナリズム
1 政府の歴史認識の変遷をたどる
「河野談話」「村山談話」と政権
政府の歴史認識に抵抗する動き
2 安倍政権とメディア
闘う安倍首相に怯えたメディア
危険な体質を見逃したメディア
タブーの増大と臆病なメディア
3 メディアが報じないこと
小泉・安倍政権に迎合したメディア
ポスト小泉・安倍政権とジャーナリズム
終章 メディアは,なぜここまで蝕まれたのか
社会の劣化
歴史は繰り返す――NHK会長人事の波乱
どうなる最高裁の判決
「個の志」を「組織」がつぶすな
あとがき