ここにいること
地下鉄サリン事件の遺族として
著:高橋 シズヱ
紙版
目次
第1章 あの日 事件
病院のベッドで/父への報告/エレベーターホールの報道陣
第2章 流されるままに
司法解剖/運が悪かったのか/結婚記念日/泣き虫の私/転機/「高橋さんには元気になってもらいたい」
第3章 代表世話人になる
地下鉄サリン事件被害者の会の結成/初めての裁判傍聴/パースの彫像/この悲しさは,ほかにはない/満一年の日/裁判での涙
第4章 私だけが不幸なのではない
「教祖」松本智津夫被告の初公判/難航する手記集の出版/時間がほしい/被害者としての苦悩/悲しみのどん底からはい上がる/泣き寝入りはしない
第5章 国の壁に挑む
視野が広がる/初めての証言/被害者相談室/黄色い手記集/こみあげる怒り/「被害者」が置き去りに
第6章 戸惑い
鈍る気持ち/なぜ証言を断ったのか/無期懲役という求刑をめぐって/手記集『それでも生きていく』
第7章 声をあげる
私は逃げない/各地の遺族との出会い/やればできる/被告人の家族/体験を伝える/被害者,遺族に付き添って/残された家族の想い
第8章 アメリカに教わったこと
気持ちの変化/遺族が支援者に/支援の現場/心を癒す
第9章 報道を変える
取材を断る権利/一つの「コクーン」として/それぞれの母と子/勉強会を始める/自助グループのむずかしさ/事件の数の判決を
第10章 心残り
9・11米国同時多発テロ事件/子離れ/義母との別れ/そして父の死/桜の季節
第11章 私を支えるもの
グラウンド・ゼロで/十年後の幸運/神戸のお土産/その日のカレーライス/いっしょに歩いていける人/続けるということ/ピンクの冊子/ここにいること
あとがき