はじめに──本当はこわい言語学習/言語学習の副作用/この本での「言語」と「ことば」/序章 「ことばを学ぶ」を考える前に/言語は世界をありのままに写すものではない/習熟するほど見えなくなってしまう世界がある/言語に習熟すると疑えなくなる世界がある/言語学習は私たちに呪いをかけ神話をつくる/システムと奴隷/迷惑の呪い/言語学習の呪いとは/この本のポイントと前提/第I部 言語学習の呪い/第1章 ことばは「もの」という呪い/言語学習は、ことばを「もの」化する/言語教育の商品化/銀行型教育とは?/ドネルケバブと納豆/言語は個人の「もの」なのか?/ことばの「もの」化はアイデンティティの「もの」化/構造主義言語学の限界/ことばと言語教育の工場化・工業化/スケーラビリティから自由になる/第2章 「理想の話者」の呪い/「理想の話者」はどこにいるのか?/「理想」が実現しない!/クラス内言語学習と言語不安/人はなぜ言語学習をするのか/「理想」のグラデーション/「個人の努力次第」ではない/理想の話者の呪いから醒めるために/第3章 レベルの呪い/ヒエラルキーの最上位はネイティブスピーカー/優劣性の呪い/サバルタン(沈黙者)の呪い/構造の呪い/「○○コース」という呪い/「努力」という呪い/上級は学習の成功者、初級は学習の失敗者なのか/いつから「そのことばが話せる」と言ってもいいのか/第4章 ネイティブの呪い/ネイティブとノンネイティブ/「○○語がお上手ですね!」/ノンネイティブとは誰のことなのか/「ネイティブのように話さなければならない」という呪い/ネイティブはモデルじゃない/第5章 正しさの呪い/言語の「正しさ」は誰が何によって決めるのか/「訂正」が呪いをつくる/赤ペンは呪い棒?/「○○語警察」/世界は「正しくない」言語で満ちている/教科書はもっと疑われなければならない/正しさの呪いを解くために/第6章 言語学習の呪いから自由になるために/コンタクトゾーンを意識する/責任ある言語学習/「言語学習をしない自由」の保障を/ことばを疑うことは社会を疑うこと/疑いつつ信じる/第II部 ことばを学ぶという希望/第7章 ことばは「つながり」を育む/ことばを学ぶには人とつながらなければならない/ことばの実践コミュニティの正式な参加者になる/興味関心でつながる/動的・多様・多元的な言語学習観/トランスランゲージング教育学/第8章 日常のことばの活動を豊かにすること/日常にあることばの活動/日常のことばとは/日常を無駄で満たす/日常的実践の中で批判性と戦術を磨く/日常のことば戦術と戦士たち/守りたい日常のことばを問いなおす/第9章 ことばの汽水域を育む/ことばの汽水域とは/ブリコラージュ、モンタージュ、コラージュ/食とことばの汽水域/きれいな水と濁った水/自然と人間の汽水域の声をきく/「わたし語」という汽水域/第10章 創造的なことばの活動ができるようになること/クリエイティブラーニング/蟻鱒鳶ル──誤変換を楽しむ/ボケとツッコミの効能/マツタケとマイタケ──外国語で漫才を/ほか