はじめに 死語にならない「飛脚」/第1章 馬琴の通信世界/馬琴の飛脚利用/大坂の板元とのやり取り/校合作業と刊行/頻繁な馬琴の飛脚利用/荷物到着日数/荷物の中身と状態/第2章 「飛脚」の誕生/1 飛脚と源平合戦 “馬”は足の延長/「飛脚」の語の淵源/飛脚のなり手──雑色が活躍/2 戦国時代の飛脚 足利義輝の「早道馬」構想/三つの通信手段──使者、使僧、飛脚/武田氏の飛脚/今川氏の飛脚/真田氏の飛脚/第3章 三都の飛脚問屋の誕生と発展──ビジネス化した飛脚業/江戸時代とは/商業経済の沸騰/江戸がゴール/京都順番飛脚仲間の誕生/越後屋孫兵衛──三井の飛脚問屋/大坂三度飛脚仲間/江戸定飛脚仲間/十七屋孫兵衛の発展/早飛脚の誕生/第4章 飛脚問屋と出店、取次所/1 京屋弥兵衛 輸送ネットワーク/京屋甲府店/上州の京屋──桐生店・高崎店・藤岡店/奥羽の京屋──福島店・山形店・仙台店/2 嶋屋佐右衛門 嶋屋江戸店/上州の嶋屋──桐生店・高崎店・藤岡店・伊勢崎店/北国、奥羽、蝦夷の嶋屋──水原店・新潟店・福島店・山形店・仙台店・箱館店/3 飛脚取次所 五街道の取次所と業務/脇往還の取次所/第5章 飛脚輸送と飛脚賃/馬琴宅から嶋屋までの距離/馬琴、嶋屋を使う/並便──廉価な定期便/早便──時間を金で買う速達便/抜状との併用──延着防止のカギ/「上方・下方抜状早遅調」──飛脚の時刻表/仕立便──一通のための超特急便/第6章 奉公人、宰領飛脚、走り飛脚/店奉公人──荷物を受注/宰領飛脚の所持品/宰領の情報網/走り飛脚は速さより安全優先/飛脚の走り方/走りの職人/第7章 金融と金飛脚/1 織物購入資金をプール 絹市の現金──松原の渡し難船事故/難船の原因/預り金手形/2 為替手形 便利な手形/京都と織物取引/為替手形の弱点/3 融資 融資の対応/飛脚問屋の金融とは/第8章 さまざまな飛脚/1 武家専用の飛脚 幕府継飛脚/七里飛脚/大名飛脚(藩飛脚)/2 多様社会の飛脚 チリンチリンの町飛脚/立花屋の輸送網と飛脚賃/川崎宿に町飛脚創業/大名行列で活躍した上下飛脚屋/3 二見屋忠兵衛──飛脚取次の商人 馬琴と牧之の交流/二見屋忠兵衛の正体は? /死蔵される『北越雪譜』/4 人足社会の江戸 馬琴の使った人足──日雇人足太兵衛/御用松茸献上の人足/5 「使」担う奉公人 滝沢家の「むら」という女性/村と村をつなぐ定使──廻状を運ぶ/処罰としての定使/第9章 飛脚は何を、どうやって運んだか/1 大名の生活資金を運ぶ 紀伊徳川家の御用送金──伊勢松坂、山城屋市右衛門/尾張徳川家の京都・大坂輸送──井野口屋半左衛門/井野口屋の輸送路/商人荷物/2 特産物の輸送 奥州福島の生糸輸送/出羽最上地方、紅花取引での利用例/3 特殊な飛脚利用 「播磨の飛脚はまだか?」──新選組/内緒のお荷物もお届けします ほか