古墳と遺跡・地図/埴輪年表/はじめに/第1章 埴輪を発掘する/1 埴輪群像発見/埴輪への眼差し/先進的埴輪研究のはじまり/保渡田八幡塚古墳の調査/大量の原位置出土/首長権継承儀礼説/再発掘の機会が訪れる/2 埴輪絵巻を読み解く/複数の場面/首長居館での儀礼?I群〔王/琴弾きと重臣/巫女/壺と鶏〕/立ち姿・武威の場面?VI・VII群/狩猟の場面?II・III・IV群[猪狩り/鵜飼い/鷹狩り]/列を成す埴輪たち?V群/群像にみる社会/埴輪と古墳のシンボリズム/第2章 埴輪はどのように発展したか──三五〇年の歴史/1 埴輪の初現/前方後円墳の創出/前方後円墳の起源/特殊器台から始まった/特殊器台から埴輪へ/円筒埴輪の確立/埴輪の穴の意味/2 多量配列と器財埴輪の登場/古墳の階層性/円筒埴輪の列配置/家形埴輪・器財埴輪の出現/蓋形埴輪とは何か/盾と靫/家形埴輪の出現/3 造り出しの創出──無人の居館/造り出しの創出/居館の実像/水をまつる家/宝塚1号墳の船/水のまつりの流行/水鳥埴輪の情景/4 人物埴輪の登場/大山古墳の人物埴輪/出雲で見つかった初期の人物埴輪/盾持ち人埴輪は人物埴輪か/5 人物埴輪のうつり変わり/充実をたどる人物埴輪/東国埴輪群像の時代/様式化された場面とランク/第3章 見せる王権──人物埴輪の群像/1 王者の狩猟/群像としての人物埴輪/猛々しい猪を狩る/鹿を射止める/鵜を操り魚を捕る/堂々たる鷹狩りの男/2 狩猟場面の意味/猪と鹿狩りのシンボリズム〔猪狩り/鹿狩り〕/豪族たちの鵜鷹逍遥〔鵜飼い/鷹狩り〕/狩猟場面の意義/3 威儀と武威/力士埴輪の神秘性/武威を示す王の造形/東国でさかんな武人埴輪/渡海する東国の王たち/4 王の経済力/列として居並ぶ多様な埴輪/盛装の晴れがましい姿/馬形埴輪からみる馬生産/5 神をまつる王/中心場面の埴輪たち/中心場面の女子群像/水をまつる人びと/琴の呪力/埴輪群像総体の意味/第4章 埴輪の登場人物たち/1 被葬者は埴輪に造形されたか/被葬者と埴輪/多彩な首長像/造形された渡来人/2 埴輪にみる女と男/女性埴輪の世界/女性有力者をあらわす埴輪/女性の政治力と経済力/3 埴輪にみる動物と人の関わり/鳥の埴輪たち/牛の埴輪/4 異形の者たち/埴輪のガードマン/笑いとチラリ/入れ墨の呪力/5 大王の埴輪群像/今城塚古墳とは/今城塚古墳の埴輪群像/何を表わしたか/第5章 埴輪づくりを支えた仕組み/1 埴輪にみる地域色とその文化/北限の埴輪/ついに新潟でも発見/関東・中部地方の埴輪の採用/須恵器と一緒に焼いた埴輪─猿投型埴輪/西日本の埴輪/九州の動向/北部九州の石の埴輪/見つかり始めた木製立物/韓国の前方後円墳と埴輪/2 村びとたちの埴輪/3 埴輪の生産と流通/埴輪生産の推移/新池埴輪窯跡群の事例/埴輪の成形と整形/埴輪の焼き上げ/埴輪を運ぶ、船で運ぶ/終章 埴輪は語る──歴史の必然/埴輪の意味/埴輪の終焉/埴輪はいつ立てられた/あとがき/参考文献/図版一覧