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思えば不思議な学校だった。６年前に戊辰戦争で敵・味方として戦った者同士が新潟町に集まった。多くの者が家族を亡くしていた。１期生中野豊記の姉竹子は会津若松の柳橋（涙橋）で銃撃されて命を落とし、５期生中川文造の父成知は河井継之助に従い、長岡城奪還の銃撃戦で命を落とした。彼らは恩讐を越えて木の香新しい校舎で学んだ。

著：伊藤　充
1951年，新潟県生まれ。新潟大学教育学部卒業後，新潟県公立小学校，新潟大学教育学部附属新潟小学校，新潟県教育庁，新潟市教育委員会に勤め，新潟市立新潟小学校長を最後に退職。その間，新潟県史，新潟市史を初めとする市町村史の編集委員・執筆委員を務める。　
新潟小学校退職後，新潟市教育委員会教育政策監，新潟大学教育・学生支援機構特任教授を務め，現在は新潟青陵大学特任教授，新潟県ＮＩＥ（新聞活用教育）推進協議会会長。