目次
序章 鍼灸(師)が変わる―我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか
1
世界に広がる鍼灸 1
鍼灸の思考:実用主義的・技術的思考 3
鍼灸の魅力 4
ChangeこそChance 5
第1章 時代が必要とする、時代から必要とされる医療 7
第1節 疾病構造と医療 7
1. 文明と疾病構造の変遷 7
1) 疾病構造の変遷 7
2) 社会との不適合による心の病 9
3) 超高齢社会と疾病構造 10
4) 高齢者区分の見直し 12
2. これからの疾病構造に対する鍼灸医療の役割―未病治の重要性 14
1)「治りにくい病」、「治らない病」が増える 14
2)未病と未病治 14
第2節 時代が必要とする、時代から必要とされる医療と鍼灸医療 15
1.一元的医療システムから多元的医療システムへの移行 16
2.「医療保障」から「健康保障」への転換 17
1)特定病院論の有効性と限界 17
2)「治す医療」から「予防・未病治およびケアの医療」への転換 18
3.「未病を治す」鍼灸医療の必要性 19
第3節 価値に基づく医療と鍼灸医療―EBMとVBP 20
1.EBMとその問題点 21
2.VBPとVBM 22
1)VBM(価値に基づく医療) 22
2)VBP (価値に基づく医療) 23
3.患者中心の医療 25
1)パターナリズムによる医療 25
2)患者中心の医療 26
4.「患者中心の医療」と鍼灸医療 27
参考文献 28
第4節 安心・安全な医療と鍼灸医療 29
1.To err is human 29
2.ヒューマンエラーに関するモデル 30
1)ホーキンスのSHELLモデル 30
2)ハインリッヒの法則 31
3)リーズンのスイスチーズモデル 32
3.エラーの分類について 33
1)スウェインのエラー分類 33
2)ノーマンのエラー分類 34
4.安全設計―フール・プルーフとフェイル・セーフ 35
5.安全と安心は違う 36
6.危険と危機、リスク管理と危機管理は違う 36
1)危険と危機の違い 36
2)リスク管理と危機管理の違い 37
7.鍼灸医療の安全性と安心・安全な鍼灸医療の構築 38
1)鍼灸医療の安全性について 38
2)安心・安全な鍼灸医療であるために 40
参考文献 40
第2章 プロフェッショナリズムと鍼灸医療 41
第1節 西洋と日本の医の倫理および鍼灸師の倫理 41
1.ヒポクラテスの誓い 41
1)ヒポクラテス 41
2)ヒポクラテスの誓い 42
2.ジュネーブ宣言 43
3.日本における医の倫理 44
4.日本医師会の「医の倫理綱領」 46
5.鍼灸師の倫理 47
参考文献 49
第2節 医療倫理とその周辺 49
1.医療倫理(生命倫理)について 50
1)医療倫理(生命倫理)の4原則 50
2)患者の権利 51
3)患者の責務 52
2.医療倫理・生命倫理に関する宣言・綱領 53
1)ニュールンベルグ倫理綱領(1947年) 53
2)ジュネーブ宣言(1948年) 53
3)ヘルシンキ宣言(1964年) 54
4)患者の権利の章典(1973年) 54
5)患者憲章(1991年) 55
6)患者の権利に関するリスボン宣言(1981年) 55
7)ヨーロッパにおける患者の権利促進に関する宣言(1994年) 55
3.医の倫理の周辺 56
1)疾病と病気の違い 56
2)タテとヨコの倫理 57
参考文献 58
第3節 プロフェッショナリズムと鍼灸医療 59
1.プロフェッションと専門職 59
1)プロフェッションの起こり 59
2)プロフェッションの定義 60
2.医療分野のプロフェッショナルとは 61
3.医療分野のプロフェッショナリズムとは 62
4.鍼灸医療のプロフェッショナリズム 64
1)コミュニケーター(患者施術関係を構築できる) 65
2)協力者(チーム医療の一員) 65
3)学者(東西の医学的知識を学習・適応できる) 65
4)健康増進の提唱ができること 66
5)プロフェッショナルであること 66
参考文献 67
第4節 医療の質・医療サービスの質と鍼灸医療 67
1.医療の質に対する患者の視点 68
2.医療の質について 68
3.サービスについて 70
1)サービスとは 70
2)サービスの分類について 71
4.品質管理の視点からみた医療サービスについて 72
5.医療の質と医療サービスは医療の両輪 73
6.鍼灸医療における医療の質と医療サービス 73
1)安全性について 73
2)有効性について 74
3)患者中心志向・効率性・適時性について 77
参考文献 78
第5節 コミュニケーションと鍼灸医療 79
1.2つのコミュニケーション 79
2.コミュニケーションによる情報伝達 79
3.コミュニケーションの阻害因子―鍼灸臨床に即して 81
1)患者を理解したいという反応が示されない場合 81
2)専門的用語による説明 81
3)診察時の目線の高さに差がある場合 82
4)診療において適切な対人距離(空間)がとられない場合 83
5)診察室の環境が適さない場合 83
6)日常会話の調子 83
4.良好なコミュニケーションの要点とは―鍼灸臨床に即して 84
1)コミュニケーションの重要性を認識すること 84
2)コミュニケーションの基本的技術を学ぶこと 84
3)訴える症状に込められた意味を理解すること 85
4)患者が言いたいこと、分かってほしいことをうまく言えるように援助する
こと 86
5) うまく話題を転換させること 86
6) 褒め、励ますことの意義について 87
参考文献 87
第3章 鍼灸医療の新しい領域―職域拡大への挑戦 89
第1節 健康経営と鍼灸医療―企業の経営と労働者の健康支援 89
1.健康経営 89
2.健康経営の目指すもの 90
3.ヘルシーカンパニーと健康経営 91
1)ヘルシーカンパニーとシックカンパニー 91
2)職場での健康増進プログラムの価値 92
4.プレゼンティーイズムとアブセンティーイズム 93
1)プレゼンティーイズム 93
2)アブセンティーイズム 95
5.経済損失をもたらす健康問題 95
1)プレゼンティーイズムと経済損失 95
2)アブセンティーイズムと経済損失 102
6.健康経営を支援する鍼灸医療 107
1)鍼灸治療による健康関連コストの削減は可能か 107
2)鍼灸医療による健康経営 109
参考文献110
第2節 「美容」としての鍼灸医療―健美を目指して 111
1.美容鍼灸の黎明 111
1)美容鍼灸の提唱 111
2)美容鍼灸への関心 112
2.美容鍼灸の現状 112
1)美容鍼灸に対する女性の認知度 113
2)美容鍼灸に対する女性の受療意向 113
3)美容鍼灸を実践している施術者の実態について 115
4)美容鍼灸の効果―施術者と受療者の比較 116
3.「美容鍼灸学」の構築を目指して 117
4.「美」について 118
1)「美」の意味 118
2)「美人」と「美しい」 119
5.「顔」について 121
1)なぜ、人は顔を見るのか 122
2)なぜ、人には「顔」があるのか 122
3)多様な「顔」について 123
4)小顔化する「顔」 124
5)美しい顔と魅力的な顔、いい顔と悪い顔 126
6)いい顔とは 127
7)美容鍼灸で「いい顔」に 128
6.「化粧」と「化粧学」について 128
1)化粧について 128
2)メーキャップとスキンケア的化粧 129
3)化粧の生理心理学的効果について 130
7.学際科学としての美容鍼級学 132
参考文献 133
第4章 日本鍼灸の特質と鍼灸教育 135
第1節 日本鍼灸の特質―鍼灸医学のスタンダードに 135
1.伝統としての鍼灸医学 135
2.ローカルとしての伝統医学からグローカルへ 136
3.日本鍼灸の特質の形成 137
1)隋唐医学の日本化のきざし 137
2)日本鍼灸医学の形成 138
3)日本鍼灸医学の原型 140
4.現代の日本鍼灸医学の学派 143
5.日本鍼灸の特色 144
1)診察法の特色 144
2)刺鍼手技と鍼灸用具の特色 146
3)治療法の特色 147
6.日本鍼灸医学を世界のスタンダードに 149
参考文献 150
第2節 鍼灸教育の歴史的変遷と現在、そして今後の展望 150
1.鍼灸医療制度の歴史的変遷 151
1)明治以前の制度とその変遷 151
2)明治期から戦前昭和までの制度とその変遷 153
3)戦後昭和から現在までの制度とその変遷 154
2.明治以降の鍼灸教育の変遷 155
1)明治期の鍼灸教育 155
2)太平洋戦争後の鍼灸教育 156
3.日本の鍼灸教育課程の基本構造 157
4.鍼灸教育の高等教育化 158
参考文献 161
終章 プロの鍼灸師であるための5か条と鍼灸医療を地域に浸透させるための3つの要望
163
プロの鍼灸師であるための5か条 163
鍼灸医療を地域に浸透させるための3つの要望 165
資料:鍼灸医療に関係する主な業団と学術団体 167
索引 173