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凶刃

ああ、我が子・真木人は精神障害者に刺し殺された!!

著:矢野 啓司
著:矢野 千恵

紙版

内容紹介

昨年12月6日、矢野真木人(まきと)さん(28歳)は、見ず知らずの男に駐車場で刺し殺されました。加害者は精神科に入院中の患者で、社会復帰トレーニングのために一時外出中でした。一人で外出した後、わずか20分後の犯行でした。

最愛の息子を亡くした矢野さん夫婦のところへは、事件後2カ月たっても、病院からの説明も謝罪もなく、いまだに犯人の病名も病状も知らされていない状況が続いています。犯人は現在、精神鑑定中です。もし不起訴が決定すれば、加害者の情報を得る手段はなくなり、病院に対して責任追及をすることも難しくなります。

どんなに理不尽な犯行でも加害者だけが保護され被害者がおきざりになった現状、精神障害者というだけで安易に不起訴にする検察(「心神喪失者」による殺人は1年間に70〜100人。その8割以上が「不起訴」になっています)。精神障害者相手の訴訟をいやがる弁護士…。矢野さん夫婦は悲しみに耐えながら、できるかぎり冷静に、自分の体験を通じて感じた矛盾をまとめています。なんとか息子の死を無駄にしたくないという親の思いがひしひしと伝わってきます。

目次

はじめに

序章   真木人の死

第1章  怒りと悲しみの四十九日
——12月6日(犯行当日)から1月23日までの経過

第2章  彼には殺人する意志があった

病院には謝られてない!
誰に謝る?
刑法第39条の壁
病院の責任
加害者の家族も被害者

第3章  真木人のはやすぎた28年

父が見た真木人の人生 
世界一幸せな母親だったのに 
兄の時間は止まってしまった 

第4章  社会的正義を求めて

完全犯罪が可能ではないか!
弁護士選定の困難
え!正当防衛で殺されたって?
報道機関はなぜ病院長の顔を出さない?
精神障害者の行政に関わる方々に
警察の皆様へ
検察の皆様へ

第5章  精神障害者を巡る環境

精神障害者のノーマライゼーション
司法精神鑑定の疑問
精神科治療への危惧
改正してほしいこと
真木人の死を礎に

■参考  新聞報道から見るいわき病院の責任 

あとがき

著者略歴

著:矢野 啓司
1947年7月29日高知市生まれ。東京農工大学農学部(農芸化学)卒。英リバプール大学大学院(行政学)修士。農林水産省・在インド日本国大使館勤務を経て40歳前に独立。一時、中南米・中東・アフリカ諸国等のカントリーレポートを執筆。現在は、(有)リバプール企画代表取締役。地縁と血縁のない高松と松山で空港隣接駐車場を経営。
著:矢野 千恵
1949年11月22日高知県吾川郡伊野町生まれ。静岡県立薬科大学卒。薬剤師。英国リバプール市ジョンモア大学留学。夫と共に英国とインドで生活した。日本語教師(文部科学大臣認定日本語教師検定試験合格)。JICE(財)日本国際協力センター・研修監理員。

ISBN:9784947767042
出版社:ロゼッタストーン
判型:4-6
ページ数:224ページ
定価:1200円(本体)
発行年月日:2006年02月
発売日:2006年02月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JBF