日本人にも台湾人にも読んで欲しい本…李登輝
はじめに
第一章 蒋介石政権による台湾占領と恐怖政治
恐怖政治による支配/台湾人留学生による台湾独立運動/アメリカの対台湾政策の大失敗と初期の台湾独立運動/台湾の略史/台湾にとっても不運だったケネディー米大統領暗殺/研究活動を中心とした独立運動/日劇事件/陳純真事件/張・林強制送還未遂事件/柳文卿強制送還事件/彭明敏博士、台湾脱出作戦/台湾独立聯盟の成立/蒋経国狙撃事件
第二章 専制独裁政治の終焉
アメリカの対中国政策の転換/惨憺たるキッシンジャーの対中国外交/周恩来も台湾は中国の領土でないことを認めた/蒋政権の国連からの追放が、台湾問題を「火薬庫」にした/危機に立たされた台湾独立運動/蒋介石神話/経済発展に伴って台湾人の力が強まる/台湾キリスト長老教会の果敢な闘争/中歴事件で大衆運動の鎮圧に軍隊を使えないことが判明/米国との断交と台湾関係法/最後の大弾圧1美麗島・高雄事件/最後の大弾圧2残虐きわまる第二の二・二八事件/最後の大弾圧3ついに長老教会を弾圧/日本における台湾報道の空白時代/台湾人の民主化闘争と米議会の支援/民主革命の嵐によって崩壊したソビエト帝国/台湾の独裁体制の終焉
第三章 台湾の民主化
民主進歩党の結成/ロボット総統、李登輝/壮烈きわまる鄭南榕の自決/李登輝下ろしの陰謀/李登輝総統、指導権を確立/台湾独立建国聯盟、帰台方針を決定/遷台作戦/遷台作戦の成功/不可解な王康陸秘書長の事故死/台独聯盟、政界進出に方針変更/米国は「一つの中国」をやめれば、台湾を承認できると/初めての総統直接選挙/蒋経国を狙撃した黄文雄の帰国/県・市長選挙で民進党が初めて国民党に勝利
第四章 民主進歩党政権の成立
「歴代総理の指南役」末次一郎/林義雄を主席に選出して、民進党は失われた信頼を回復/クリントン政権に対して、李登輝総統は「一中一台」を強調/揺れる民進党、核攻撃で台湾人を威嚇する中国/台湾史上最大の大地震/陳水扁、総統に当選/総統就任演説の公約が大改革の機会を失わさせた/不当な政治裁判で政治生命を断たれた張燦洪/小林よしのり著『台湾論』騒動と金美齢の活躍/立法院選挙、与党躍進するも過半数に達せず/『台湾青年』の停刊/中国、陳水扁総統の「一辺一国論」に猛反発/李登輝先生との対話/李登輝「中華民国はすでに存在していない」
第五章 存亡の危機に瀕した台湾
二二〇万人の人間の鎖デモ/陳水扁総統、再選/二期目の総統就任演説で、同じ過ちを繰り返した陳水扁/台湾憲法制定運動/台湾の民主主義と安全保障を確立するために/立法院選挙で民進党、予想外の敗北/国民党と親民党は中国共産党と提携/アメリカに対台湾政策を転換させることを目的とした論文/陳水扁総統、立ち直って攻勢に転じる/李登輝先生との対談/米国、馬英九を優遇、陳水扁を冷遇/陳水扁総統夫人までが汚職容疑で起訴される/台湾防衛より中国の意向を優先する国民党と親民党/民進党政権下で大いに高まった台湾人意識/民進党と国民党の総統候補決定/李登輝訪日「最高の旅だった」/台湾の国連加盟申請について、国連総会で大討論/陳水扁総統、正面から米国政府に反論/存亡の危機に瀕した台湾
終わりに