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知の新書 J02

おもてなしとホスピタリティ

サービスとのちがい

編:新資本経済学会
著:村瀬永育
著:山本哲士

紙版

内容紹介

変わる世界秩序の中でいきづまる日本経済。それは商品・サービス経済の限界である。サービスは人をみていない。サービスとホスピタリティは原理がまったく違う。混同しているこれらを整理し、わかりやすく新たな可能性を説く。
サービスは(1対多数)いつでも、どこでも、誰にでも
ホスピタリティは(1対1)いま、ここで、この人に
いかなる経済活動にも、日常世界の言動にも、ホスピタリティは人々のあり方を健全にする。
日本の「おもてなし」はこの二つの対比を調整する高度な文化技術である。世阿弥の花伝書や茶の文化、伝統工芸や建築など日本の文化技術にエッセンスがある。
店舗、企業、個人の新たな技術に役立つヒントを明示。

目次

おもてなし、ホスピタリティ、サービス
Ⅰ サービスとホスピタリティの対比
 1 サービスの本質 20のモード
 2 ホスピタリティの本質 20のモード
Ⅱ おもてなしの日本文化技術とホスピタリティの哲学
 1 世阿弥「花伝書」からみたホスピタリティ「花」のテクノロジー
 2 おもてなしとホスピタリティの文化対比
  ⅰ「もてなし」の意味と日本文化
  ⅱ ホスピタリティの哲学と文化
  ① バンヴェニストの語彙論におけるホスピタリティ
  ② ジャック・デリダのホスピタリティ論
  ③ 西田哲学からホスピタリティを考える要点/絶対的ホスピタリティ関係
 3 文化資本/情緒資本とホスピタリティ自己技術
  ⅰ 知的資本と情緒資本との関係技術
  ⅱ 制約と拘束条件
  ⅲ まとめ和文化の技術
Ⅲ ホスピタリティ・オペレーションへの指針
 1 プロセス・オペレーション
  ①客を観る、客の顔を聴く②生涯時間のホスピタリティ③ホスピタリティ・スケープ(場所)のオペレーション
  ④技術科学のホスピタリティ・オペレーション:日本の非分離文化技術を活かす
 2 ホスピタリティ・オペレーションの構成
Ⅳ ホスピタリティの資本経済とおもてなしの場所
 1 商品経済のサービスと資本経済のホスピタリティ
  ⅰ 商品の構造と〈物〉の実際世界価値と価値化 valuation と価格
  ⅱ「産業的生産様式= 商品経済+ 制度経済」とシャドウ・ワーク資本経済のホスピタリティの場所と資本者
 2 場所へ開くパブリックなホスピタリティ
 3 文化の拘束条件は、社会の規制力よりも強い
終章 ホスピタリティ・マネジメントへの基本軸
 1 ヒューマン・リソース:述語制の領有
 2 マネジメントの三つの試練の場
 3 資本関係のマネジメント
 4 市場のマネジメント: 場所マネジメント
 5 コンビビアルな戦略マネジメント
移行、転換、イノベーションの課題
和のおもてなし/パワー関係における剰余享楽のパブリック・マネジメント

著者略歴

編:新資本経済学会
学者、企業人、クリエーターが商品・サービスの産業経済を脱する新たな資本・ホスピタリティの経済を、実際かつ理論的に探究する学会。近代西欧原理に代わる、新たな普遍原理を日本の文化資本に探る。これまで30年間の学者と企業との協働活動から明らかになったことを、本書でコンパクトにまとめる。
著:村瀬永育
新資本経済学会事務局長。著書に『ホスピタリティ・オペレーション』知の新書B11。
著:山本哲士
新資本経済学会顧問。著書は『甦れ資本経済の力』知の新書001、他多数。

ISBN:9784924671713
出版社:読書人
判型:新書
ページ数:192ページ
定価:1300円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月11日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KN