出版書誌データベース

「多摩・島しょ百科全書」は、多摩・島しょ地域の歴史、文化、自然環境、社会課題などについて、より深く学び、地域の特徴や課題に関する深い洞察を得るとともに、多摩・島しょ地域の魅力を再発見してもらう電子テキスト教材です。
第１期として、４分野＜リテラシー、人文科学、社会科学、自然科学＞、２３テーマを発行しました。

「統計学　Excelデータで描く多摩地域」は、リテラシー分野のテーマの一つです。以下、「はじめに」をご一読ください。

はじめに
　動画静止画を問わず映像でも、そして絵画でも、はたまた文章でも「多摩を表現する」ことは可能です。と同時に、統計データ（つまり数字）でも「表現する」ことができます。ここでは、写真機ができる前の肖像画、そうそう例えば、ダ・ヴィンチやフェルメールのようにモデルを「本物そっくり」に描くこともできます。またピカソは抽象画を沢山描いたことで有名ですが、彼のデッサンはそれ自身でも「素晴らしい芸術作品」なのです。箱根の森彫刻美術館を訪れてみて下さい。彼のデッサン力の凄さに驚かれるでしょう。皆さんは統計学と絵画技法がどう関係するのか、おそらく戸惑いながら読まれることでしょう。でも、英国を代表する大哲学者のデイビッド・ヒュームはウイリアム征服王が行った一種の検地帳『デュームズデイブック』を評して、「英国中世を数字で表現した風景画」と言っています。
　統計数字を単に羅列するだけでは、何のことかわかりません。そこにどんな情報が隠されているかもわかりません。統計データは「私たちが五里霧中の将来で賢い選択をするための情報」なのです。これは国際データ、国内データ、組織データ、家計簿データ、いずれにも共通なのです。だから、目の前の統計データを色々と吟味して情報を引き出そうとします。これが統計学を学ぶことの大きな目的なのです。
　たとえば、皆さんは「平均値」くらいは知っていますよね。何のために平均値を計算するのでしょう。一つは統計データの塊の特徴を手っ取り早くつかむためですね。それから、データセット（集合）が複数の場合には、集合同士を「比較」するためでもありますね。それから、一つのデータセットを年代の古い順から並べる、小さい順から並べるなどと同時に、生のデータを全体からの構成比率にすると小数点ができますが、小数点ではイメージがわかないから100をかけて%にするとか。・・・続く