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理工数学シリーズ

量子力学 Ⅱ

波動力学入門

著:村上 雅人
著:飯田 和昌
著:小林 忍

紙版

内容紹介

「量子力学Ⅰ 行列力学入門」に続く第2弾
電子が波であるという発想をもとに、シュレーディンガーが提唱した波動方程式
その解を求めると謎に包まれていた原子内の電子軌道が次第に明らかになっていく
行列力学では難解を極めた水素原子の電子軌道が、見事に解明されていく、
その過程を本書でじっくり学んでほしい。

目次

はじめに ···················································· 3

第1章 電子の波動性 ·········································· 9

第2章 電子波の方程式 シュレーディンガー方程式の登場 ········· 16
2. 1. 波の方程式 17
2. 2. オイラーの公式と波の方程式 18
2. 3. シュレーディンガー方程式の導出 21
2. 4. 指数関数のべきは無次元数 25
2. 5. シュレーディンガー方程式の飛躍 27
補遺2-1 べき級数展開とオイラーの公式 28
A2. 1. 指数関数の展開 29
A2. 2. 三角関数 29
A2. 3. オイラーの公式 30
A2. 4. 複素平面と極形式 31

第3章 シュレーディンガー方程式による解法 無限井戸 ··········· 34
3. 1. 空間に閉じ込められた電子の運動 34
3. 2. エネルギーの量子化 37
3. 3. 波動関数の導出 40
3. 4. 確率解釈 42
3. 5. 波動関数の規格化 46
3. 6. 波動関数の直交性 47
3. 7. 重ね合わせの原理 51

第4章 シュレーディンガー方程式の解法 有限井戸 ··············· 54
4. 1. 有限井戸に閉じ込められた電子の運動 54
4. 2. 超越方程式 60
4. 2. 1. 超越方程式 β= k tan(ka) の解 61
4. 2. 2. 超越方程式 β=‐k / tan(ka) の解 64
4. 3. 固有関数 65
4. 3. 1. β= k tan (ka)の場合の波動関数 67
4. 3. 2. β=‐k / tan (ka)の場合の波動関数 71
4. 3. 3. エネルギー準位の高い波動関数 74
4. 4. 波動関数の規格化 76
補遺4-1 余因子展開 85

第5章 トンネル効果 ·········································· 90

第6章 演算子 ················································ 101
6. 1. 量子力学における演算子 102
6. 2. 運動量演算子 103
6. 3. 位置演算子 104
6. 4. 正準交換関係 106
6. 5. エネルギー演算子 108
6. 6. 固有値と期待値 109
6. 7. 期待値 112
6. 8. エルミート演算子 116

第7章 不確定性原理 ·········································· 119
7. 1. 無限井戸による考察 120
7. 2. 期待値による考察 122
7. 3. シュワルツの不等式と不確定性関係 126
7. 4. 演算子の可換性と不確定性 132

第8章 調和振動子 ············································ 134
8. 1. 調和振動子のシュレーディンガー方程式 134
8. 2. エルミートの微分方程式 137
8. 3. 波動関数の規格化 143
補遺8-1 エルミート多項式 152
A8. 1. 母関数 152
A8. 2. エルミートの微分方程式の導出 154
A8. 3. エルミート多項式の規格化因子 158
A8. 4. エルミート多項式の直交性 160

第9章 極座標のラプラシアン ·································· 162

第10章 水素原子のシュレーディンガー方程式Ⅰ──変数分離 ····· 173
10. 1. ポテンシャルエネルギーの導出 173
10. 2. 変数分離 174
10. 3. 角度関数の分離 177
10. 4. 変数分離した方程式 181

第11章 水素原子のシュレーディンガー方程式 Ⅱ──動径方向の方程式  
                ····························· 183
11. 1. 動径方向のシュレーディンガー方程式 183
11. 2. ラゲールの陪微分方程式 190
11. 3. ラゲール陪多項式 192
11. 4. 波動関数の規格化 196
11. 5. 動径方向の波動関数 201
11. 6. 動径分布関数 206
補遺11-1 ラゲール陪多項式 210
1A11. 1. ラゲールの微分方程式の解 210
1A11. 2. ラゲールの陪微分方程式 213
補遺11-2 ラゲール陪多項式の直交性 216
2A11. 1. 母関数 216
2A11. 2. ロドリーグの公式 219
2A11. 3. 漸化式 221
2A11. 4. ラゲール微分方程式 226
2A11. 5. ラゲール多項式の直交性 227
2A11. 6. ラゲール陪多項式と母関数 231
2A11. 7. ラゲール陪多項式の漸化式 233
2A11. 8. ラゲール陪多項式の直交性 234
補遺11-3 極座標の体積要素 242

第12章 水素原子のシュレーディンガー方程式 Ⅲ──角度分布関数
             ··································· 244
12. 1. 方位角 Φに関する波動方程式 244
12. 2. 天頂角 θに関する波動方程式 248
12. 2. 1. ルジャンドル微分方程式 250
12. 2. 2 ルジャンドルの陪微分方程式の解法 254
12. 2. 3. ルジャンドル陪多項式 259
12. 3. 規格化 259
12. 4. 球面調和関数 269
補遺12-1 ルジャンドルの微分方程式 277
A12. 1. 級数解法 277
A12. 2. ロドリーグの公式 279
A12. 3. ルジャンドル多項式の母関数と漸化式 281

第13章 水素原子の電子軌道のまとめ ··························· 285
13. 1. 波動関数と電子分布 285
13. 2. 水素原子の電子軌道 287
13. 3. s 軌道 289
13. 4. m=0 に対応した p 軌道 290
13. 5. m=±1 に対応したp 軌道 293
13. 6. d 軌道 296
13. 6. 1. m= 0 に対応したd 軌道 296
13. 6. 2. m=±1 に対応したd 軌道 297
13. 6. 3. m=±2 に対応したd 軌道 299
13. 7. 一般への拡張 302

おわりに ···················································· 303

著者略歴

著:村上 雅人
理工数学研究所 所長 工学博士
情報・システム研究機構 監事
2012 年より2021 年まで芝浦工業大学学長
2021 年より岩手県DX アドバイザー
現在、日本数学検定協会評議員、日本工学アカデミー理事
技術同友会会員、日本技術者連盟会長
著書「大学をいかに経営するか」(飛翔舎)
「なるほど生成消滅演算子」(海鳴社)
など多数
著:飯田 和昌
日本大学生産工学部電気電子工学科 教授 博士(工学)
1996 年-1999 年 TDK 株式会社
1999 年-2004 年 超電導工学研究所
2004 年-2007 年 ケンブリッジ大学 博士研究員
2007 年-2014 年 ライプニッツ固体材料研究所 上席研究員
2014 年-2022 年 名古屋大学大学院工学研究科 准教授
著書「統計力学 基礎編」(飛翔舎)「統計力学 応用編」(飛翔舎)など
著:小林 忍
理工数学研究所 主任研究員
著書「超電導の謎を解く」(C&R 研究所)
「低炭素社会を問う」(飛翔舎)
「エネルギー問題を斬る」(飛翔舎)
「SDGs を吟味する」(飛翔舎)
監修「テクノジーのしくみとはたらき図鑑」(創元社)

ISBN:9784910879147
出版社:飛翔舎
判型:A5
ページ数:308ページ
価格:2600円(本体)
発行年月日:2024年06月
発売日:2024年06月30日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:PH