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スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版 03 完結

科学技術とインクルージョン

編:SSIR Japan

紙版

内容紹介

科学技術、とりわけデジタルテクノロジーとデータサイエンスは、多くの新たな機会を生み出し、社会問題の解決を後押しする一方で、人権を侵害したり、格差や不平等を増幅している側面もあります。今号では、多様なセクターの研究者と実践者から、これからの科学技術と社会の関係を考えるうえで避けては通れない多くの「問い」を集めました。

科学技術の暴走や悪用を防ぎつつ、その恩恵をひろく社会全体にいきわたらせるためには何が必要なのか。科学技術を公正なやり方で研究し、実践するためのルールは誰が決めるのか。そもそもすべての課題が科学技術で解決しうるのか。

科学者やエンジニアと市民が協働して科学の研究・実践を行うシビックサイエンスや、STEM分野に多種多様な人材を受け入れるテックインクルージョンなど、科学技術を一部の専門家の手からわたしたちみんなの手に取り戻す動きが世界中で見られます。その最新事例と提言が詰まった一冊です。

目次

Editor’s Note
・誰も取り残さない科学テクノロジーのあり方とは
FEATURE
・疎外された地域を人材の宝庫に変えるテックインクルージョン
・環境正義を実現するコミュニティ主導型科学の可能性
・個人のデータ提供をめぐる2つの未来
・科学の「厄介な問題」とシビックサイエンスをどうつなぐか
OUR IDEAS
・人間による生態系の拡張で地球システムの自己再生機能を高める
CASE STUDY
・米中の大学パートナーシップで中国農村開発のEBPMに挑む
OUR CHALLENGE
・誰もがその人らしく働ける就業環境の社会価値
IMPORTANT QUESTIONS REGARDING SCIENCE, TECHNOLOGY AND SOCIETY
科学テクノロジーと社会をめぐる「問い」
・サイエンスとケアが融合したら何が起きるのか(広井良典)
・スマホがあれば誰にでも金融サービスは届くのか(慎泰俊)
・脱炭素の政策は誰がどうやって決めるのか(江守正多)
・近代医学がもたらした「分断」を乗り越えるには何が必要か(占部まり)
・技術を担う人は善悪の曖昧さにどう向き合い続けるか(岡田光信)
・シビックテックを推進する「主体的な市民」をどう増やすか(関治之)
・「ものさしで測れないもの」を教育はすくい上げられるか(福本理恵)
・社会課題を解くための「共通言語」はAIでつくれるか(石山洸)
・超高齢化社会の行政デジタル化はどこから始めるか(及川涼介)
・「最適化至上主義」から民主主義的価値を守れるか(ロブ・ライヒほか)
FACTS & FIGURES
・数字から見えてくる科学への期待とSTEAMの課題
FIELD REPORT
・地域コミュニティが牽引するスコットランドのエネルギー革命
・NASAも注目する市民のための気候変動データ収集アプリ
VIEWPOINTS
・データ利用の植民地主義を脱却せよ
RESEARCH
・女性候補者が選挙で勝利するための条件
・行政データベースで社会的不利益の連鎖を断ち切る
BOOKS
・党派の分断を乗り越える
・知の循環を生み出す図書館という装置
Thoughts for Tomorrow
・エネルギーを生み出すもの

著者略歴

編:SSIR Japan
スタンフォード大学が2003年より発行を続けている「ソーシャルイノベーション(社会変革)」の専門誌『スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー』の日本版。

ISBN:9784910602035
出版社:SSIR Japan
判型:B5変
ページ数:168ページ
定価:2500円(本体)
発行年月日:2022年11月
発売日:2022年11月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:JB