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今から約20 年前、ナディアが姉とともにちいさな書店 Diwanをはじめたとき 、その後の彼女らの成功をだれが予期したでしょうか。男性優位のエジプトで、女性が書店を開くということは、想像を絶するような困難が待ち受けていました。しかしDiwanは8つの支店をもつ、エジプトを代表する独立系書店チェーンへと成長します。原書の『Shelf Life：Chronicles of a Cairo Bookseller』は世界11カ国語に翻訳されています。

著：ナディア・ワーセフ
2002年に共同で設立されたエジプト初のモダン シェルフ・ライフな書店ディーワーンのオーナーの一人。ロンドン大学バークベック校でのクリエイティブ・ライティングの修士号、ロンドン大学東洋アフリカ研究学院での社会人類学の修士号、カイロ・アメリカ大学での英文学・比較文学の修士号の三つをもつ。
ディーワーンを共同で設立する以前は、「女性器切除対策プロジェクトチーム」や「女性と記憶フォーラム」で調査やアドボカシー活動に従事していた。2014 年・15・16 年に『中東版フォーブス』の中東で最もパワフルなアラブ女性200人に選ばれたほか、『タイム』、『モノクル』、『ビジネス・マンスリー』などの雑誌でも取り上げられている。
二人の娘とロンドンに在住。2022年のウーマン・オブ・ザ・イヤー賞（UNICEF & Co. Look！Magazine）の"Woman for Women" 部門を受賞。

訳：後藤絵美
東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所助教。2003 年から2 年間、平和中島財団奨学生としてエジプトに留学。カイロ・アメリカ大学女性・ジェンダー研究所に所属した。現在は近現代のイスラーム思想・文化の多様性や変化について研究をしている。主著『神のためにまとうヴェール――現代エジプトの女性とイスラーム』（中央公論新社、2014 年）。