てってい的にキルケゴール 3
その3 本気で、つまずくということ
著:中島 義道
紙版
内容紹介
死ではなく、永遠にいたる道、逆説でしか語りえないその歩みには、なんとユーモアが寄り添って……思想と本気で対話すること、そこでは炉辺のつぶやきのように、一筋縄では届かない本音が顔をのぞかせる。
絶望とは精神の階梯、「神」に目を向けた人間の避けて通ることの許されない道程なのだ。無神論やニヒリズムの祖型の一つとされ、実存哲学の源に据えられた思想家像の虚構性を問う。『死にいたる病』のすべての行文に耳を澄ます、中島=キルケゴールの思考のドキュメント、完結篇。
目次
第五章 無限な自己というイロニー
──〔第二篇 絶望は罪である〕
一 宗教的詩人
二 「無限な尺度」としての神
三 不服従と「つまずき」
四 神の謙虚さと「つまずき」
第六章 無知と啓示
──〔第二篇 絶望は罪である 第二章 罪のソクラテス的定義〕
一 ソクラテスの「無知の知」
二 ソクラテス的なものとキリスト教的なもの イロニーの精神
三 認識と意志
第七章 積極的なものとしての罪
──〔第三章 罪は消極的なものではなくて、積極的なものであるということ〕
一 罪は積極的なものである
二 キリスト教の逆接とソクラテスの無知
三 罪の弁証法
終 章 単独者として──〔B 罪の継続〕
一 罪のダイナミックス
二 キリストに面する自己
三 神の前における単独者
四 聖霊に逆らう罪
五 神の法廷