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てってい的にキルケゴール

その2 私が私であることの深淵に

著:中島 義道

紙版

内容紹介

主著『死にいたる病』と《てってい的に》付き合うこと、それは、青春を呼び出して、そこで生きることだった。死ではなく、永遠にいたる道、逆説でしか語りえないその歩みには、なんとユーモアが寄り添って……キルケゴールの声を聴き、それが発散する音階を聞き取る。読む者自身が、そのトーンと語調で歌ってみること、それは、底知れない逆説に耐えつつ、神と対話する道だった。

絶望とは精神の階梯、「神」に目を向けた人間の避けて通ることの許されない道程なのだ。無神論やニヒリズムの祖型の一つとされ、実存哲学の源に据えられた思想家像の虚構性を問う。『死にいたる病』のすべての行文に耳を澄ます、中島=キルケゴールの思考のドキュメント。

目次

その二 目次
第四章 イロニーの精神と反抗
──〔C この病(絶望)の諸形態〕
  一 絶望の階梯
  二 自己のなかの永遠なもの
  三 絶望と地上的なもの
  四 直接性の生態
  五 イロニーの精神
  六 自己についての意識の上昇
  七 閉じ籠もり
  八 自殺と反抗
  九 絶望の弁証法
  一〇 反抗者の内面と外面

著者略歴

著:中島 義道
1946年生まれ. 東京大学法学部卒. 同大学院人文科学研究科修士課程修了. ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士). 電気通信大学教授を経て, 現在は哲学塾主宰. 著書に, 『時間を哲学する──過去はどこへ行ったのか』(講談社現代新書),『哲学の教科書』(講談社学術文庫), 『時間論』(ちくま学芸文庫), 『死を哲学する』(岩波書店), 『過酷なるニーチェ』(河出文庫), 『生き生きした過去──大森荘蔵の時間論, その批判的解説』(河出書房新社), 『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)『時間と死──不在と無のあいだで』(ぷねうま舎), 『明るく死ぬための哲学』(文藝春秋), 『晩年のカント』(講談社), 『てってい的にキルケゴール その一 絶望ってなんだ』(ぷねうま舎)など.

ISBN:9784910154411
出版社:ぷねうま舎
判型:4-6
ページ数:256ページ
価格:2400円(本体)
発行年月日:2023年02月
発売日:2023年02月24日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:QDH
国際分類コード【Thema(シーマ)】 2:QDX