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ロシアのウクライナに対する軍事侵攻はウクライナの隣国ポーランドに大きな影響を及ぼしている。ポーランドと深い関係にあった西部ウクライナの歴史を振り返り、いち早く軍事的・経済的支援を表明し大量の避難民を受け入れたポーランドの現状を明らかにし、両国の経済関係と戦後復興に向けた動向を見る。

　はじめに　　

第１章　ポーランドとウクライナの歴史的関係　

１　ウクライナの誕生とポーランド／２　現代史におけるポーランド― ウクライナ関係／３　ポーランド政府とウクライナ　

第２章　経済関係とエネルギー分野での協力　

１　両国の経済概況／２　ロシア侵攻開始前後の貿易関係／３　ポーランド― ウクライナ間の直接投資の状況／４　ポーランドのエネルギー戦略・政策の動向／５　電力分野における脱ロシア化とウクライナ支援／６　天然ガスから見るポーランド‐ウクライナ関係／【コラム】ポーランドは欧州バッテリー生産のキープレイヤーになるか？ 　

第３章　ポーランドにおける労働力としてのウクライナ人

１　ポーランド国内のウクライナ人の立ち位置／２　ウクライナ避難民の求職活動から収入状況まで／３　ポーランドで働くウクライナ避難民の声／４　業務委託契約をめぐる問題と避難民の雇用／【コラム】消えた国旗、日常化して行く戦争

第４章　ウクライナの戦後復興とポーランドの役割　

１　ＥＵによるウクライナ支援策の概要および戦後復興の方向性／２　ウクライナ戦後復興を見据えたポーランド政府、民間企業の動向／【コラム】軍事教練と適性検査の行方 　

　　おわりに　

　　参考文献　

　　ポーランド・ウクライナ関係年表（現代史）

著：田口雅弘
1956年生まれ。ワルシャワ中央計画統計大学（SGPiS）経済学修士学位取得卒業、京都大学大学院経済学研究科博士課程後期単位取得退学（京都大学博士）。岡山大学学術研究院社会文化科学学域教授を経て、現在、環太平洋大学経済経営学部教授、岡山大学名誉教授。専門は、現代ポーランド経済史、ポーランド経済政策論。主要著書:『ポーランド体制転換論　システム崩壊と生成の政治経済学』（御茶の水書房、2005年）、『現代ポーランド経済発展論　成長と危機の政治経済学』（岡山大学経済学部、2013年）、『第三共和国の誕生 ポーランドの体制転換一九八九年』（群像社、2020年）。

著：岡﨑拓
1984年生まれ。神戸大学大学院経済学研究科博士後期課程修了、博士（経済学）。四天王寺大学非常勤講師、常磐大学助教、羽衣国際大学専任講師を経て、現在、羽衣国際大学現代社会学部准教授。専門は、現代ポーランド経済、ポーランド自動車産業。主要著作:『脱炭素・脱ロシア時代のEV戦略 : EU・中欧・ロシアの現場から』（共著、文眞堂、2022年)、On the Identity of Poles（共著、ふくろう出版、2021年）、「ポーランドにおける自動車産業の発展経路」『比較経済研究』第53巻2号。

著：金子泰
1976年生まれ。コジミンスキ大学(ALK)大学院法学研究科博士課程修了、博士（法学）。現在、ワルシャワ大学（UW）応用言語学部准教授。 専門は、日本法のポーランドにおける紹介、EUおよびポーランドの産業政策。主要著作: Reviewing European Union Accession -Unexpected Results, Spillover Effects, and Externalities（共著, Brill, Leiden & Boston, 2018)、'Obstacles for Japanese Investors in International Arbitration (kokusai chūsai) To Resolve Commercial Disputes'（共著, Studia Iuridica Lublinensia. 2024, Nr3)