中小製造企業の技能形成と職場類型 中国へ進出する中小製造企業を踏まえて
著:津川 礼至
紙版
内容紹介
競争力維持のために、高品質、高性能、低価格のバランスを取らなければならない中小製造企業には、大企業とは異なる職場類型の発展が見られる。本書では、技能形成、技術選択、労務管理という3つの側面から、またこれらの側面の有機的関連から、中小製造企業の職場類型が分析されている。製造工場における職場類型の段階的発展のなかで、さまざまな機械類が混在する万能職場、さまざまな作業工程をこなす万能熟練工は次第に姿を消し、現在の大企業製造現場ではほとんど見られなくなったが、中小製造企業の作業現場の中には、さまざまな自動機の操作に習熟し、IT技能・知識や材料に関する知識と従来の作業工程に関する技能・知識とを併せ持つ新たな形での熟練工、現代版万能熟練工ともいえる存在が見られる。研究事例の少なかった中小製造企業の職場類型について、本書では、事例研究をとおして、新たな職場類型の存在を明らかにしていく。
目次
目次
序章
第一章 技能形成に関する先行研究
第二章 技能形成問題と中小製造企業の課題
第三章 職場類型と技能形成の現状 ―在阪中小製造企業の実例―
第四章 技術選択と技能形成 ―中小製造企業の日中比較―
第五章 労務管理の新展開と技能形成 ―在中日系中小製造企業の実例―
終章
参考資料
あとがき