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証言と記録で綴る 放送人高橋信三とその時代

著:辻? 一郎

紙版

内容紹介

 放送といえばNHKしか存在していなかった戦後の日本で、民間放送設立の必要性を説き、それを実行した人物のひとりに高橋信三がいる。彼は戦時中のNHKが大本営発表を伝え続けたことを問題視し、「放送の多様性」を実現すべく民間放送を立ち上げ、およそ30年にわたり経営者を務めた。そしてある時は「放送人はジャーナリストであるべきだ。常に野党的立場にたって民衆の味方でなければならない」と説き、ある時は「放送の目的は社会に貢献することだ。金を儲けることではない」と論じた。また社員が高視聴率に浮かれていると見てとるや、「視聴率が高いことはちっとも自慢にならない。問題は“これ”といえる番組をどれだけ送りだせているかだ」と戒め、ゴールデンタイムに娯楽番組ばかりが並んでいる現状は問題だ。知的欲求を満たす番組をもっと増やせ」と主張もした。
 本書はこの高橋信三の生涯をたどり、彼の信念を支えたものは何か、どのような体験がこうした放送人を作り出したのかを探ることを企てたものである。

目次

目次
前書き  山本雅弘
序章
第一章 ジャーナリストになるための足どり
第二章 毎日新聞記者時代
第三章 民間放送への関心
第四章 放送会社創設
第五章 「JOOR、皆さまの新日本放送でございます」
第六章 テレビ時代の到来
第七章 社長就任
第八章 心を揺さぶる出来ごと
第九章 JNNへの加盟
終章
私の見た高橋信三  北野栄三
公益信託高橋信三記念放送文化振興基金 歴代助成事業(1993年度~2021年度)名簿
公益信託高橋信三記念放送文化振興基金 歴代運営委員名簿
謝辞  辻一郎
索引

ISBN:9784909933287
出版社:大阪公立大学共同出版会
判型:A5
ページ数:584ページ
定価:3500円(本体)
発行年月日:2022年01月
発売日:2022年01月25日
国際分類コード【Thema(シーマ)】 1:KNTC